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Re: ざけんじゃねぇッ!と言う少年と少女の物語(夏休み編 ( No.170 )
日時: 2010/09/24 18:57
名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)

第22話

 翌日、とうとう来ましたよと言わんばかりに尾崎浩太は朝7時半にさわやかに起きると、眠気の残っているポタコンを連れ、荷物を持ちながら家を出る。奈津美の約束の時間の前にいちはやく尾崎には待ち合わせしている”友人”がいる。その友人のもとへと早起きしたのだ。

 少年がかれこれ朝9時になるその前の時間に、走ってバスに乗っては待ち合わせに到着する。そして、そこには先に待っていた尾崎の一番の友人、”松代浩二”がそこには待っていた。

 「いや〜本当に久しぶりだな尾崎」
 「いや〜本当ですね〜、一体なにがあって俺等は三週間もの間対面できなかったのかと疑問に思うくらい。」

 尾崎は笑い上げると、松代浩二も笑い上げた。久しぶりの友人との会話に尾崎は涙を浮かべそうになる。何せ彼にはここに到達する以前に、さまざまな事件と格闘を繰り広げてきた。正式に主な事件と関わったのは二択なのだが、彼は至る所でツイテいない男なので、成績の影響もあり、遊んでいる事だけか、友人と会う事も簡単ではなかった。
 その苦難な時間を乗り越え、彼はこの場で友人と再会できたのだった。
 「お前さ、たしか、夏休み終わったら即体育祭だって話、聞いてる?」
 「うぇーーー!?、マジかよ。無理だって、特に奈津美と戦ったら即退散しねぇと殺される!!まだレベル2だってのに!」
 尾崎は頭を抱えながら混乱する。だが、一方で友人の浩二は目を点へと変えていた。尾崎が発した言葉の中に、一つ引っかかったのだ。
 「え? お前レベルUPしたの? どうやって・・・———ッ!」
 一瞬、松代浩二はなんて事を口にしてしまったのだろうかと後悔する。こんな事を友人に言うなんて自分はなんていう奴だ、と。だが、進めたからには仕方がない。浩二は気を取り直すと、疑問をしっかりとぶつける。
 「浩太は、無属性だろ? そんなんでどうやってお前はレベルを上げたのか、いや、”上げられた”のか、詳しく説明してほしい。この三週間でお前はどうやってレベルを上げたんだよ」
 その問いに、浩二は迷いはなかった。まっすぐ、見て、一番の友人として聞くために問う。
 それに負けないように、真実だと思わせるように、尾崎もまっすぐ見ながらそれに答えた。
 「俺の正式な能力が分かったんだよ。一人じゃ使えねぇンだけどさ、まぁ、そいつがいると能力が使えるってことだ。詳しい説明はしねぇよ? 俺の能力は、あらゆる物体や異能の力、生命のある者の存在をすべて”無”に返す力だ。通称、”無の能力者”、それは俺ってことよ」