コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ZAKENJYANEEEE!!! ( No.191 )
- 日時: 2011/01/21 17:25
- 名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)
第23話「At The Very Beginning 」
プールの翌日。
尾崎浩太はベッドで仰向けになりながら、風の摩擦で至る所に布が切れ、私服であった衣類をゴミ袋に入れている。
その理由、というよりは答えだが、もちろん坂条奈津美という最強のレベル8の能力の攻撃が彼に降りかかったからだ。
なぜかは、昨日のプールで問題を起こしたためで、それが奈津美の怒号を放つ引き金となったとなる。このように綺麗に8ヵ所の擦り傷が尾崎の体に出来てしまっている。
「つぇえっ!! 痛テェ! もっとやさしくしろ!」
その擦り傷に隣にいたポタコンが消毒液で濡らした麺棒でやや不器用に傷に合わせて塗っていた。
だが、今の尾崎の発言に少しぷくーっと、頬を膨らませると、塗るのを止める。
「じゃあ、浩太が自分でやればいいじゃん。」
ポタコンが手に持っていた麺棒をテーブルの上に戻すと、テーブルの間近にあるテレビに顔を向け、尾崎ほったらかしに入る。
なぜか良くない空気だと分かるオーラが漂いこむ。
(ありゃ……機嫌悪くさせちゃった……)
そんな事を思って、やはり幼いのだなぁ…とポタコンを見て感じる。
「いや、ごめんごめん。自分でやるにはちょっと背中とか的確に出来ないしさぁ……もう文句言わないから消毒ちゃんとしてほしいなー」
手を握ってポタコンに向け、必死に目を瞑って拝む。
そして、ポタコンは尾崎に向き直る。真剣な眼差しで焦点を合わせて。
のち、眉を一気に下げて上から目線の状態で口を開いた。
「だからさー、浩太がすでに『幼いなー』とか思ってるのが分かるからこそ、こう頭に来るんだよねー。手を握って拝んだの見ても、中学二年生がそこまで反省する人とかいないもん。大抵『ワロタww』とかだし」
「わかったからマジでそれ言うなよリアルすぎだから!」
背中や至る所に走る激痛に耐えながらも突っ込んでおく。
が、そのあとはやはり走ってくる痛みに耐えようとベッドに戻りながら体を丸込める。
(ぐ、ぐぉおぉ……なんだこのピリピリした痛みは……)の思考とともに耐える。
その状態を見つめたポタコンは、一息吐いてからカレンダーを見た。
(日数を数えてみたはものの、まだまだ夏休みは長いなー)
今度は最先端科学で作られたモニター表示型のニュースやら雑誌カテゴリから、一瞬飛ばしてしまいそうだった記事をもう一度見て、驚いた。
「こ、ここ、浩太! 『今なら宝くじで大当たりを取った一名様に、三日間のロンドン旅行をプレゼントします』だって!!」
「……でー、どうしろと?」
「だ、だって旅行だよ!? こんな狭っ苦しい部屋の中にいたって面白い事なんてなにもないよ!? さっさと起き上って大当たり出してこいよナマケ野郎!!」
バシッ! と尾崎の傷口にポタコンは張り手を喰らわせる。
もちろん尾崎の絶叫が響き、二人で愉快な喧嘩が始まった。
そんな中で嘆いている尾崎は声にして思った。
「っつーか、さっさと消毒すればいい話だっただろなによこの後回し!!」