コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ZAKENJYANEEEE!!! William編 ( No.200 )
- 日時: 2011/01/24 16:20
- 名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)
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ここは宝くじ売り場だ。
ポタコンの駄々に答えるためにわざわざ来たとこだ。
ま、大人に近づく俺としてこのくらいやってやんなきゃケチくさいからな。
俺は前にいる受け答えをするOLと、値段で等賞を一か八かで会話中。
「えっと、ではお客様のお買いあげた番号を調べてみます。当たってるといいですね☆」
「は、はい。…そうですね」
『当たってるといいですね☆』ってなにこの人ウィンクしちゃってんの? なんか嫌な予感がするんだが…。
「お、おおい浩太! ど、どうなんだ!? どうなのッ!?」
「あ、慌てるな! まだ調べ中なんだって」
「うにゅ〜〜」
お前どんだけロンドンに行きてぇんだよ…。いや、待たされるだけでこんなハムスターみたいに両頬が膨らむ方が一番気にかかるとこなんだけどさ。
その状態のまま、ポタコンは俺の服を握っている。しわができるからやめてもらいたいが、手で払うのも気が引けるのでそのままに。
毎回思うけど、本当にこいつはアンドロイドなのか?
いっつも感情移入が激しいし、会話もあまり普通の人と変わらない。
もしや……『実は僕、アンドロイドじゃなかったんだっちゅーの!』的なオチになるのかね? あれ? どうなんだろう。
「あ、見つけました。えっと、お客様はですね……———ぇえ!?」
すごいというより驚いた形相で、OLさんがパソコン画面に見入った。
「あの……どうかしたんですか?」
半ば『もしかして!?』って気持ちで俺も震えあがる。
もしかしたら、今までの努力が募ったのかもしれない!
とまぁ、こういう感情に俺はなりがちな訳だが、今回だけは騙されん。
隣で同様に歓喜で満ちそうなポタコンを気持ちだけ差し置いておく。
残念ながら、こういうパターンは大抵、ティッシュが当たりましたーみたいな———
「す、すごいですお客様! 見事『ロンドン三日間の旅行券』を手にしましたーー!! 一等賞でぇーーす!!」
カランカランカラン……と黄金の鐘が鳴り響く。
それは、一等賞を手にしたものだけに響く音で、その音は、俺の人生初めて聞いたものだった。
「……う、うっそーーーーんッ!!??」
周りにいる歓声と、俺の歓喜が爆発した。
人生初めての旅行だ。