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Re: ZAKENJANE! Killing each編 ( No.217 )
日時: 2011/03/07 21:19
名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)

8月14日水曜日

8月16日から二日前……。

尾崎とポタコンがロンドンに行く前の日。

 坂条奈津美は、なぜだか胸が慌ただしかった。
 なぜか、本人さえもわからない何かが、胸に突き刺さっていたのだ。
 そこで彼女は思った。

 サマー・プールに行く前のダークネス暴力団の取り押さえ事件。
 そのダークネス暴力団事件の前にあった、この世界の超能力者を生んだ研究者、春山の真実。
 それがなぜ、このように綺麗に話が進んでいるのか。
 継起的に見ても、空いている間隔は短いと感じた。

 今、プールやらロンドンやらに行っている場合ではない。そんな時間はない。

 彼女の結論はこうだ。つまり、

 (この春山が起こしているさまざまな計画は”短期”で形成されている)

 だから、起こりうるなにもかもが速い。たった一カ月で、この世界の真実どころか、ダークネス事件が絡む事自体が、
 ”おかしかった”ということだ。

 坂条奈津美は、そこまで考えが至った所で、世界地図をパソコンから映しだした。

 (もしかすると、春山の計画は、もう追い付けないところまで進んでいたのかもしれない。私達なんて目もくれず、完璧な計画で、完璧に至れる時期を見つけて、その日に実行したのかもしれない!)

 そんな焦りや春山の計画性の凄さに、奈津美は震えた。
 おかげで、パソコンから出した世界地図は、奈津美の震えで変な検索をしてしまう。関係のない国の地形に移ったり、戻ったりの繰り返しになっている。

 レベル8でも、日本で二位の能力を持ってしても、なぜか、危機的感情が迫ってしまう。
 どうしても怖くて、奈津美は世界地図を映し出したまま、春山の詳細を調べるのをやめた。

 (逃げたくないわよ。だけど、だけど、もし調べて私の危機的感情が当たっていたら、今まで戦ってきたのは無意味になる。)

 尾崎と共に戦ったのが、無駄になる。無意味になる。すべてが無くなってしまう。
 嫌だった。
 彼女にとってそれだけは。

 8月14日は、胸に迫る異変だけで、いっぱいだった。

 だが、次の日。

 8月15日、彼女はその真実を見つける。

 世界地図からでは、春山の現在位置は見つけられない。
 だったらまずは、地球全体を映している、人工衛星に遠距離電子通信を送り、映像をハッキングするだけだ。

 (けど、これじゃ時間が掛かる。私の能力は端末ハッキングや通信伝達はできない。だったらまずは———)

 奈津美はスカートのポケットから携帯を取り出すと、ポリス・スタデント本部に連絡する。