コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ざけんじゃねぇ!! ( No.22 )
- 日時: 2010/07/30 16:08
- 名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)
第四話「無の能力」
まずは俺の両親を紹介しておこう。
俺は一人っ子だ。説明すると、俺の両親は二人とも研究員として、研究者として一人だけという事で俺を産んだんだ。
そりゃ科学者の母親とてちゃんと俺を育ててくれた。幼稚園にも行ったし、小学校にも通った。普通の保護者だった。
けど、一昨年から科学技術は絶好調という形で急激な成長を遂げたんだ。それはやはり能力があるからだろう。
国民はみんな裕福と、素晴らしい国家へと変わっていった。だから今どき財布なんてものしゃなくて、お金はマネーカードという(パスワード付きの)もので買い出しが行われている。みんな平和よりももっと科学で創った未来都市を望んでいる。
でも俺は違った。科学者の子として生まれた俺は、もう今となっては両親の足をひっぱているようにしか見えなかったんだ。その頃は俺も小学6年だったし、決心はしていた。
捨てられるという事では無くて、俺は二人にこれからの未来を創ってほしいと思ったんだ。
無論、親にはこんなことは言っていない。
普通にこれから大人となっていくわけだし・・・などいろんな成績の話を持ち込んで、俺は一人暮らしをすると決めたんだ。
つまり、今 俺の目の前にあるアンドロイドは、お父さんとお母さんの贈り物ってことだ。
誕生日はもう過ぎているけれど、それでも覚えてくれていることに嬉しかった。
「んでだ、つまり俺の能力をアップするためにはお前との融合が必要だって事だな」
ポタコンは頷いた。と同時に口を開いて、自分の名前の由来を話し始めた。聞いたわけじゃないが、聞いてほしいのか?
「僕の名前のポタコンは、”サポーター・コンビネーション”と言葉が含まれています。浩太と一緒にレベルを上げていく、それが僕です」
そういうことか・・・なるほどな。
「で、お前これからどうしろって言われてんだ?」
「一度、融合してみましょう」
融合って・・・なにするんだ?
というか仕方が分からねぇ。能力を見てみたいってのもあるけど、まずはこいつの話を聞くか・・。
「融合の仕方は?」
「えっと・・・浩太がさっき言った僕のコード№を言えばいいだけだよ」
コードナンバーって・・・覚えてねぇよ!!
「覚えてるわけないか・・。紙ある?」
テーブルの上にある手紙の束を俺はポタコンに渡した。すぐさま手に持っていたペンでコードを記した。
「はい、これ読めばいいから」
渡された紙に書いてある番号を一つずつ言った。
「109247・・・#・・**・・PQ ?」
ポインターみたいな音がすると急にポタコンの体が粒子で覆われて、それが俺の両手に吸い込まれるように入って行った。
特に・・・何の変化はない。
逆に両手に吸い込まれたのが毒薬だったりして・・・みたいな恐ろしい感覚が背筋を透き通る。
と、頭にポタコンの声が響いた。
(接続完了。・・・良かったですね。成功です)
「ま、マジか? 何も変わってなくね?」
本当に何の変哲もない両手。体中を見るが変化はない。
(当たり前です。それが浩太の能力だから。)
関係あるのかよ・・・。
「なんで俺の能力があるとこうなるんだ?」
(あなたの能力は『無い』からです)
あ、なるほど・・・単純な理屈だ。
(では試してみましょうか? まずは無くなっていいものを探してください。・・・たとえば、缶とか)
俺はゴミ箱へ向かい、缶を手にした。
ちょっと思ったが・・・臭いな。
「この後は?」
(存在を無くすように、消えろとか、無くなれと思ってください。あなたの感情がその一定値に達したとき能力が発動しますから)
・・・・無くなれ・・・。
え・・・・?
手に持っていた缶がいきなり消えた。音も何も聞こえなかった。ただ感触がなくなったのと、掌に映っていた缶がなくなった。だけの現象だった。
「消えた・・・どこに?」
(どこにもないよ。あの缶の存在は、消えたから。これが、君の能力だよ)
これが俺の力・・・・。
「俺、なんっていうか・・・嬉しいって感情がないな」
(んー、それは普通だよ。この能力は使い方次第だと浩太は・・・そこいらの属性より強いと思う)
「あ、でももしかしてこれが限界かも・・・」
すげ・・・疲れてきた。
急激な睡魔が俺を襲う。足がふらついて、立ってられなくなる。
(え? そっか、能力使ったの初めてだったんだっけって、ちょっと待って!僕まだ出てない! )
俺はもう・・・・眠さに耐えきれず、側にあったベッドへと倒れこんだ。
(ちょっと待ってって!浩太、学校だよ!・・・・あれ?)
「すー・・・すー・・・」
(・・・・あれー・・・)