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Re: NO、REASON!! :new-zakenjanee!! ( No.233 )
日時: 2011/04/22 20:37
名前: ハッチしゃn (ID: X96rB3AK)

 八月十六日————

 「うーん、うふふふ」

 「来たよ来たよ来たって! にゃははははははッ!!」

 「本当に大変でしたよ。でもこれでできました。春山様の第二計画の重要となる『エターナルダイバー』が。」

 「来た———ッヨォ———!!」

 「少し黙りなさい『スラナス』。あなたもこれから第二計画の重要な任務を託されるのだから」

 「にゅふにゅふうふ———ッ!! にゃは〜〜ッ 任務、任務任務!! 殺すのがいいなぁーー殺すのがいいなぁーー見周りはヤダなぁ〜〜ッ!! つまらないのはいやんいやんいやぁ———ッはッはッは!!」

 「少しうるさ過ぎですよ『スラナス』。あなたのそういう所は一番厄介で困ると言っているでしょう」

 暗闇の中にある、一つの灯りが明るくなっている研究施設がある。
 その地下に、三人の研究員らしき者がいる。周りはあらゆる機器で埋め尽くされており、その機器すべてに電源のコードが接続されてモニタリングのような音が時折鳴り響く。

 地下室内の換気は何もされていないのか、毒素のような濁った気体が充満されている。当の研究員三人も、服装は白い羽織物ではなく、ガスマスクを口に付けており、至って空気に触れさせないような頑丈な黒いスーツ身にまとっている。

 先ほどの会話は、この三人の物だ。
 地下室内の部屋の様子は周りに機器が接続されており、扉がある。室内の中心には人を乗せられる程の手術台のような台があるだけだ。

 黒いスーツを着た研究員、または何かの組織で動いている者の三人は手術台のような台の周りに集まっている。

 その台の上に乗っているのは、人ではなく、動物でもなく、あらゆる機器のコードを核に接続された、注射器だった。先ほどには注射針があり、注射器の中身の液体の色は見た事のない白く輝いた物になっている。
 黒いスーツを着た三人は、それを見るなりまた話をし始める。

 「でも本当に完成したのね。これで春山様の第二計画の『革命』が起こるのね」

 「ええ、そうです。『革命』が起こるんです。すべての『チカラ』と呼べる物の集合が始まり、集合体へと化すのです」

 「にゅっふにゅっふ———ッ!! こんな地下にもいれば、衛星探知機にも見つからず、有利で計画を進められる速度にめっちゃ興奮しちゃう——ッ!! 速過ぎてもういろんな所がいけない方向に興奮してきちゃう——ッ!! にゃはははははははッ!!」

 「やはりうるさいですあなたは。どうぞ静止した地上に戻ってさっさと衛星探知機に見つかってしまいなさい。せっかく完成した『エターナルダイバー』に興味を示さないなんてどうかしてるとしか思えませんよ」

 「うふふ。まぁ、完成したのはいいとして、さっさと届けなくちゃね、春山様の元に」

 「それもそうですが、少しはあなたも興味を示してくださいよ。五百万人分の能力データをこの注射器に納めたんですよ? どれほど大変だったか理解して下さいよ」

と、ここまで三人の会話は続くのだが、ここからは数秒の沈黙が漂った。
 黒いスーツの三人は向かっている体は『エターナルダイバー』と呼ばれた特殊な注射器の方向なのだが、視線はまったく別の方向に集まった。

 女のような声を出した一人が(黒いスーツで顔はガスマスク着用で認識できない人が)、手術台から正面の壁にあった扉へ歩み寄る。
 三人の集まった視線はそこだ。

 まったく声がしない沈黙の中で、女のような声を出した人はその扉を開けて、そこに映った”何か”に親指でクイクイッと指すと、こう口を開いた。


 「それと、能力データ回収で使った五百万人分の遺体も捨てないとね」

 それを聞いた残り二人は、特に興味もない感じで、扉の中に映る”何か”をただ見つめる。