コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: NO、REASON!! :new-zakenjanee!! ( No.236 )
- 日時: 2011/04/23 11:33
- 名前: ハッチしゃn (ID: X96rB3AK)
同日、ロンドン・ロンドン観光ホテル———
(………おい。待てよ。……なんなんだよ。)
(誰がこんな、こんな結末を求めてたって言うんだよ……? 誰も望んでないだろ? なんだってこんなことになっちまってんだよ?)
「———どうなってんだよッ! ———これはァッ!!」
現在の時刻は午前七時。日本は午後三時だが、ロンドンでは九時間の時間のズレがあるため、午前七時である。
そして今の叫び声をしたのは尾崎浩太という人物だ。
能力は『すべての存在あるものを”無”にする』という異様な力なのだが、両親から送られて来たアンドロイドと融合しないと能力が発揮できないという欠点を持っている。
そんな彼は今、ホテルの廊下で立ち止っていた。
なぜなら、彼の目の前にホテルの従業員や、受付をしていたビジネスマンまでもが、意識不明のまま倒れているからだ。
それに加えて、観光ホテル内一帯にも聞こえる大声を出したというのに、誰も部屋から出てきたりなどの反応がない。
外の車の音も、人がいる気配もない。信じられないくらいの静かさに、尾崎は背筋を凍らせる。
(もしかして普通に意識を保ってるのって俺だけか!? くそ、ポタコンは!?)
一緒にロンドンに来たアンドロイドを思い浮かべ、階段から三階にあるポタコンが寝ている一室へと向かう。
彼はボタンを押しても反応を示さなかったエレベーターを通り過ぎると気付く。
(くそ! そういうことかよ。通りで一階に来るときにエレベーターが使えなかった訳か。電力を操作する人も似たような状態になっているからか!)
そこまで考えを至って、階段の扉を開けてから二段飛ばしで走り上る。
大体、三回くらいの事件に首を突っ込んできた尾崎ならこの状況は分かる。が、彼にとっては
(最悪ですよもう〜〜ッ! 人生初の旅行でそれもロンドンで何でこんなことになってるんですかッ!? 俺はまだピチピチの中学生だぜよなんなんだよこの不幸すぎる展開ッ!!)
と嘆く以外に何もないわけなのだが。