コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ざけんじゃねぇよ! 〜final story〜 ( No.243 )
- 日時: 2011/04/30 15:53
- 名前: ハッチしゃn (ID: X96rB3AK)
一篇「主人公の終局」#02
非常口階段を登りつめ、とにかく武装部隊から逃れるために屋上へと目指す。
(てか、屋上に行って捕まったらどうしよう!?)
でも、屋上に行くしか今はできない。今更階段を下りたとしても、見つかった時点で終了だろう。
それ以前に、この観光ホテルはビル一つで建てられているため、別の棟に移るなどと言うルートがないわけだ。だったら、階段を上り続け、相手も行く当てが分かっていようと屋上に着いてから様子を見る事が正しい選択だろう。
それか……、
(一人ずつ倒していくか? 確認したところ10人くらいだしな。でも、……。)
自分にそこまでの力があるとは思えない。
能力を検査しても、所詮レベル2だ。そんな自分が、10人の数に勝てるとでも言えるのであろうか? え、……えええい!
「細かい事をいちいち気にしたって仕方ねぇよな。 男なら、真正面から突破口に向かうに決まってやがんだ! 行くぜ俺!!」
「こうた浩太、そろそろ降ろしてくれると嬉しいんだけど。それに、万が一もあるから融合しとかないと」
「あ、ああ。そうだったな」
ポタコンが『そうだったなって、してないと危ないじゃん』と思いながらも、尾崎のコードナンバー認証入力により、粒子になりながら尾崎の体の中に入り、融合する。
これで能力が使えるようになる。
一旦足を止め、下から昇ってくる武装部隊の足音を聞きながら改めて考える。
さすがに屋上で全員が相手だと、バランスが悪い。せめて今ここでは5人くらい落としておくべきだろう。
非常口階段の7階あたりで扉を開け、おびき寄せる。
今の扉が開く音で、尾崎浩太とポタコンが7階のホテル内に逃げ込んだと分かるだろう。だが、武装部隊はもう一つ考えた。
未だ2階から昇って行く三人の武装隊員は、先に進んでいるチームからの無線を受け取る。
『C班に告ぐ。こちらB班だが、非常階段の7階から標的が再び7階のホテル内に逃げ込んだ可能性がある。だが、扉を開けただけとも考えられるため、C班は続いて屋上を目指せ。A班が1階で待機している。これで奴らに逃げられる隙間はない。続けて命令通りに動いてくれ』
C班のリーダーなのかどうかは不明だが、先方に立っていた武装隊員一人が、その無線に応える。
『了解。こちらは命令通り、屋上へ向かいます。もしそちらに標的がいた場合はすぐに連絡を。全隊員で取り押さえましょう』
逃がすわけにはいかない。そして、反撃にあう訳にもいかない。
彼ら武装部隊は、任務をこなすために全力を尽くす。
だが、尾崎とポタコンも、簡単に負ける訳にはいかない。
7階に逃げた尾崎はポタコンにこう伝える。
「ポタコン、絶対ここから抜け出すぞ。まだなにも終わっちゃいねぇンだ。この世界も、意識不明のみんなも!」
(うん! だから、絶対ここを乗り越えよう!)
「あったりめぇだッ!!」