コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 言ってやるよ!ざけんじゃねぇ!ってなぁ!(コメください>< ( No.38 )
- 日時: 2010/08/03 15:14
- 名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)
第七話「レベル9を生みだす使徒」
ええと、なんだろうこの状況は。
俺は坂条の竜巻をくらって、後転姿勢で砂場に打ちつけられた。・・・めちゃめちゃ砂がついた。
今は起き上って砂を払ったところだが、坂条はまだ赤面をしている。打ちつけられた背中が痛い・・・。
「あ、あんた・・・なんでこんな人気のない公園にいんのよ」
俺は蛇口に向かい、その質問に答えた。
「・・・紙見たから」
蛇口をひねって水を出す。手で確認すると冷たい。そのまましゃがんで頭から浴びた。
後ろでこの行動に驚いたのか、砂利が靴で後ずさるような音が響いた。
「勝手に・・・人の家に入るって、どういう神経してんのよ。・・・変態じゃない」
その言葉は頭に来たが、俺は無視するように、頭から背中へと水を浴び続けた。
「・・・仕方ないだろ。昨日のお前、おかしかった。なにかあったんだろうか?って思ったら、家の中は誰もいないし、それに鍵あいてるし、・・・鍵を開けたまま出かけたお前が悪い。」
立ちあがって、ベンチに尻をついた。
「・・・それは・・・悪かったわね」
そっぽを向くように坂条は謝った。素直に謝ればいいものを。
俺はベンチによりかかって、太陽の光に体を照らす。
早く乾くことを望んだ。
すると坂条がいきなり俺を指差して言ってきた。
「と、とにかく!人の前で露出すんなっつの!///」
「そんなのどうでもいいだろ。乾くまで待てって」
「だったら私の前にいるなぁぁっ!!」
すっげぇ赤面。なんでだ?
なぜ顔を真っ赤にするのか分からない尾崎。疑問を抱きながらも、坂条の目の前からは移動はしなかった。
「だ、だから・・・」
「お前が後ろ向けばいいことだろ」
平然と答えた尾崎にムカついたのか、坂条が右手を尾崎に向けて構えた。
「なっ?! ・・・お前、何する気だ!」
坂条は震える唇を噛みしめ、口を開いた。
「あんたがどかないってんなら・・・私が自力でどかすしかないんだよね・・・? 馬鹿だったわ私。」
不気味な笑みをし、準備万端だと言った。
それに怯えた尾崎があわててワイシャツに着替えるが、手遅れだった。突風が尾崎に突する。
だが・・・尾崎が言った”言葉”で風は即停止した。
「坂条、俺を頼れ!」
と。
奈津美がその言葉に止まってしまった。「頼れ」という言葉に。
「頼れって・・どういう事?」
俺は、真っ直ぐな目で見つめて答えた。だが、それは奈津美も同じだった。
「お前を助ける。お前が誰かと戦うのは、あの手紙で分かる。あれじゃ、妹さん泣くぜ? 遺書そのまんまだったよ」
「ははっ・・・分かってたんだ。でも頼らないわ。レベル8だもの。あいつ。・・・ねぇ、レベル8はこの国で5人しかいないんだって。あいつはそのうちの一番目なのよ。私は四番目。どんなに強かろうが、あいつは強すぎる。あんたが死ぬだけ」
そう言って、奈津美は一歩ずつ尾崎に向かって歩き始めた。
彼女は、一人で戦おうと決心していた。でもそれは・・・彼女にとっては自殺行為に近かった。
助けてほしかった・・・。彼女の本音。だが、
尾崎だけには言われたくなかった。
「・・・なんであんたに頼らなきゃなんないのよ。なにを頼ればいいのよ。・・・・レベル1のあんたに何を頼ればいいのよ! 何もできないくせに!・・・他人を救うのには、それ相応の力があってから言えるのよ! レベル1のあんたが生意気なこと言ってんじゃないわよ!・・・ざけんじゃないわよッッ!」
坂条 奈津美から竜のごとく竜巻が壮大な力で摩擦し、そこらの土が舞い上がる。
「これで最終通告。もう私には関わらないで。さぁ・・・今のうちに帰って。そうすれば見逃してあげるから」
俺はどかねぇ。あいつが戦う奴なんて知らない。けど、あいつの怯えたあの眼は、助けを求めていた。
無力でもいい。俺はあいつを助ける。銀行の時といい、俺はいつも無力。幼稚園のころから今に至るまで、助けられていたのは俺だった。
けど・・・どんな無力でも、能力は見つかった。こいつにはお世話になりまくった。幼馴染で、いつも助けてくれた。・・・なぁポタコン、遠距離からでもコードナンバーを言えば能力は使えるのだろうか?
(一応、使えます。彼女に見せてください。あなたの能力を。)
俺は、もう覚悟を決めた。あいつに見せてやる。ゆっくりとナンバーを言った。
「1・・092・・47・・#*・・*PQ 」
俺は目の前に風が起きていようと、動じない。
絶対に今回ばかりは負けたくない。・・・これが男に巻き起こる、競争感情というものなのだろうか?
今のおれは、そのレベル8の男を倒したくて仕方がなかった。・・・守りたい。
「なによ!なに独り言言ってんのよ!分からない子供は、一発 歯ぁ食いしばっとけッッ!!」
そういうと、坂条奈津美は尾崎に向かって竜巻を突き通した。
尾崎に風が当たる。・・・その時だった。