コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 言ってやるよ!ざけんじゃねぇ!ってなぁ!(コメください>< ( No.42 )
- 日時: 2010/08/04 22:36
- 名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)
第七話「レベル9を生みだす使徒」
「っ?!」
奈津美は、その場から100メートルほど蹴り飛ばされた。激痛が奈津美の体をむさぼる。
激痛に耐えながら、奈津美は腹を抱えて起き上った。足がふらつき、片膝を下し、立ち上がることができない。
「はぁっ・・・・いっ・・・・」
蹴飛ばした少年が、奈津美へと向き直る。
「お前、自分が死ぬかもしれねぇってのに、なにレベル1なんかと交際ごっこしってんだ?」
尾崎にとって、それはプライドを傷つける言葉だった。まずなぜ彼が知っているのか。
少年は、笑い声をあげている。歓喜の声。とはまた違う、奇怪な声だった。
尾崎が不気味なものを見るように見つめ、なぜ俺の事を知っているのか聞いた。
「なんでお前が、俺のこと知ってんだよ?」
少年は、叫び声に近い音量で笑い上げた。
「あははははっ! なんでだって? この国でレベル1なのはお前だけなんだぜ?誰がそんな落ちこぼれの野郎を忘れる事が出来るんだよ?」
尾崎は、崩れた。心が崩れたのだ。生まれて初めてそんなことを言われたのだから。
拳を握りしめ、震え続けた。
少年は、そんな尾崎をどうでもいいかのように話し続けた。
「レベル8、坂条 奈津美、俺の名前知ってるか?」
奈津美は口を噛みしめ、睨みつけた。
こんな最低な野郎に、受け答えなんて吐き気がすると。
「知らねぇか。俺の名前は『イコール』だ。どうだ?数式的な名前で面白いだろ? あはははっ実験体の名前。こんなくだらねぇ世界、俺が征服してやる」
征服・・・なんて、何歳の子供が考えることだろうか?この年でこんなことをほざくなんて、どうかしている。と、奈津美はけがらわしいと感じた。
奈津美の怯えた感情はもはや消えた。
こんな子供に負けたくない。負けてたまるか。
それが、奈津美の心だった。
奈津美は覚悟を決めた形相をすると、立ち上がり、右手を構え、イコールに話しかけた。
「あんた、レベル8は私以外、殺したって言ったよね?・・・でも、ニュースにはなっていなかった。・・・どんなことがあったにせよ、あり得ないことよね」
イコールは、笑いを止め、無表情で向き直った。
「・・・別にいいぜ? 信用しなくても。どちらにせよ、俺がお前よりも強いことは、”確認”ずみだからな」
「あっそう」
奈津美は右手からイナズマを巻き起こし、突撃させた。
「そのセリフは、まじめにてめぇぶっ殺す」
イコールは片手を上げ、そのイナズマを消し止めた。もう片方から、天使を作り上げた。
これには、その場にいた二人とも凍りついた。天使が舞い降りてきたのだ。
「な・・・なんだよあれ・・・」
(おそらくあれは・・・神属性の・・・)
「はぁぁっ!?」
俺はポタコンの通信にも驚いたが、神属性という言葉の方がめっちゃビビった。
神属性・・・・それは・・・・すべての属性で最上位の能力だ。・・・それがレベル8。
俺たちは・・・・こいつを甘く見ていたのかもしれない。奈津美も・・・その表情は隠せなかった。