コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 言ってやるよ!ざけんじゃねぇ!ってなぁ!(コメください>< ( No.51 )
- 日時: 2010/08/07 13:49
- 名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)
第七話「レベル9を生みだす使徒」(終)
イコールは、二人の決断力を見て、軽く機嫌が悪くなる。
こいつらみたいな、団結力なんてくだらねぇ。パートナー同士なんてくだらねぇ!こんな世界、人類、生物!すべてが!!終わっちまえばいいんだァああああああっ!!
イコールは、激怒の感情を抑えきれず、ましてや身勝手な疑心暗鬼で感情を倍に膨張させる。
そのまま、百体の天使を創りだし、抹消させる命令を下す。
「この数で、やらなきゃいけないなんてね。・・・でも、私は!」
奈津美は、台風並みの力を尾崎も巻き添えで起こす。
「台風をね、窮縮形態にして放つとどうなるか、知ってる?」
周りに起こっていた風が、奈津美の右手に集まる。
やがて、風の球体へと変わる。
そのまま射撃。
撃った風は百体もの天使を、広範囲でイナズマを巻き起こし、風の急激な摩擦で天使のボディーは焼かれていく。
それを奈津美は、見つめ続けた。同様に尾崎もだ。
イコールは珍しいモノを見るように見上げた。
そこで語る。
「へ〜、なるほど。風属性がなぜ第二位なのか分かった気がする。風ってのは、使い方によっちゃ、何でもありなんだな」
奈津美は、イコールを無視し、その場から走って尾崎の手を掴み、「今のうちよ!」と言って前に飛び出す。
尾崎もそのままイコールに向かって走り、右手を構える。
「どりゃぁあああっ」
イコールが尾崎の接近に気付くと、即座に尾崎の後ろへ回り込み、背中を蹴り倒す。
蹴り倒した尾崎のみぞを右足のつま先で押しつぶす。
痛さに耐えきれず、呻き声を上げる。
「ぐぁっ・・・ぁぁあっ」
ちくしょうっ! いってぇぇ!
「おまえさぁ・・・相手考えろって。なぁ?レベル1の落ちこぼれ〜」
もっと奥深くへと押しつぶす。
奈津美はイコールに対抗しようと考えているが、風の操作計算で忙しく、そこまで頭が持たない。
・・・このぉ! さっさと消えろ!!
「おりゃぁあああああああああっ!!」
奈津美は、速度を速め、摩擦力を上昇させる。
そこに天使達の悲鳴が強まる。
少しずつ灰色に天使達は変わっていく。
だがそれでも天使達はもがき続ける。
早く尾崎を助けなくてはいけない。
奈津美が天使の焼消化に時間がかかっている横で、尾崎のみぞを踏み続けるイコール。
「レベル1なんてこの世界にはいらねぇよなぁ? お前を楽にしてやる。このまま貫いてやるよ」
「ぐばぁっ! がぁああぁっ」
足が少しずつ尾崎の胸に沈んでいく。この状況はただの拷問にさえ近い。
くそ! このままやられる? 俺は! また・・・なにもしないまま?!
・・・・ざんねんだが、俺の答えはNOだッ!
尾崎は、苦しみながらも、両手をイコールの胸を突いている右足を掴む。
それを不思議そうに見るイコール。
「まだ、抵抗するほどの力はあるんだな。」
その様子を奈津美が不安している。
まだ天使は消えていない。このままでは間に合わない。
「・・・お願い! さっさと消えろぉぉ!」
摩擦を上昇させていくが、間に合わないのは見え見えだった。
だが、尾崎はあきらめない。
へへっ・・・あとは、能力の存在を“無”にすれば!!
そう思った瞬間、「バキンッ」と割れるような音が、天使達から響く。
その音に、一番驚いたのはもちろん、イコールだ。
「な・・・?」
振り向いた矢先、奈津美の周りに群がっていた天使が消えていた。
その場面を見ていたイコールの視点が右へと大きくずれる。
尾崎が、イコールの振り向いた隙を狙って右頬を力づくで殴ったのだ。
「がぁ!!」
「ざまぁみろ・・・」
またすぐに尾崎がイコールの顔に殴りつける。
右、左、と交互に続ける。
気がつけば、尾崎は殴るのをやめた。
もうイコールの意識は途絶えた。
荒い息の音が、公園に響く。疲労した証拠である。
奈津美がイコールの両手に手錠をかけた時、奈津美の右腕には、ポリス・スタデントの紋章がついていた。
どうやら、激闘が終わった後に、紋章のバッジを付けたらしい。
つまり、もう今の奈津美は、ポリス・スタデントとして働いたという事だ。
そこまで見ていたが、そのまま尾崎は、能力を使った事による睡魔に襲われ、深い眠りへと落ちた。
翌日からーー
そのあと、この二人は犯人逮捕を行ったとして、賞状が配られた。
どうやらイコールは本当にレベル8連続殺人事件として指名手配されていたらしい。
つまり二人は、たたえられたのだった。
だが、尾崎はレベル2として働いたものの、あり得ないと判定され、ちゃんとした祝福を受けたのは坂条 奈津美、一人だけだったという。
尾崎は、影で隠れて、ポタコンと二人で寂しく自分で祝福会をしたという。
最悪だーーー!!
これが、彼の心の叫びだった。