コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 言ってやるよ!ざけんじゃねぇ!ってなぁ!(コメください>< ( No.55 )
日時: 2010/08/09 21:36
名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)

牢獄の中・・・・。

カビの匂いが激臭で、寝ることはできなかった。

まだあの試験管の中の方がよかった。でも春山先生は、理解してくれなかった。同じことを言うと、頬を叩く。俺ならこいつを殺すことができるが、こいつは自分の体内に、能力を無効化にするチップを埋めており、その周囲にいる能力者はただの人間となってしまうのだ。

それもそのチップは極秘で作られていたため、他のものがこれを作ることはできない。

俺はあいつの前だと、ただの犬だ。異論を言えば殴る。あいつの今の所在地は分からない。俺は抜け出したから。

事の発端は俺の二番目が作られてからだ。

二番目に作られたあいつは、名前を「スラナス」と付けられた。

俺と同じ神属性。神属性なんて元は細胞分裂を膨張させて作り上げた攻撃と回復タイプなだけだが。

だがあいつには、それ以外に使命があった。
それは、他の属性を生みだすことだった。

春山には「大丈夫。彼女は少し実験するだけだよ。君は安心しなさい」と言われただけだ。

「そうだよ。私は平気だよ。」とスラナスは言った。
俺達は、牢獄の中で他愛もない話題で盛り上がった。
本当に、友達ってこういう奴なんだなって思った。

うれしかった。この施設から出たら、もっと友達を作ろうと思った。

だが・・・殺人鬼の俺を変えてくれたスラナスは、亡くなってしまった。

春山特有の「優しいおじいちゃん口調」で俺は彼女の実験の事をとらわれただけだった。それに、その時の俺は頷いてしまったんだ。実験の事を。・・・・今となっては糞笑いが止まらねぇ。

春山が言った「少しの実験」そんなものどこにもなかった。俺は、実験室の隙間から見てしまったんだ。

スラナスがどのような実験をされていたかを。

ただの・・・拷問だった。

スラナスが行われていた実験は、俺達の体の中に流れているVANエネルギーが、どれくらいまで入るか同課の実験なだけだった。

VANエネルギーとは、その能力者が消費するマジックポイントのようなものだ。

普通なら、VANエネルギーをすべて使いきれば、バテるか、睡魔によって倒れるかどちらかだ。

VANエネルギーは、その人の鍛錬によって上昇していく。だが、他人により増加されることは、人体に大きな影響を及ぼす。もちろんいちばん影響されるのは、人間の脳だ。

スラナスは日に日に頭痛がひどくなっていった。
彼女は痛い痛いと毎日隣の牢で嘆いた。

気がつけば・・・彼女は牢に戻ることはなかった。

俺は探した。彼女を。牢から出られる時間帯になればすばやく飛び出て、実験室や保管室やいろんなところを調べまくった。

行きついた場所は・・・ゴミの溜まり場だった。

彼女は・・・捨てられていた。息はなかった。

声は出なかった。その日は一度も声は出なかった。
やがて月日がたち、春山が報告しに来た。

「彼女の実験は成功した。・・・大丈夫。彼女はこの施設ではなく、普通の一般市民として、幸せに暮らしている」と。

俺はこの日を境に、施設から脱走したんだ。

警察に報告しようと思った。

だがこの国は遅かった。国民のすべては脳を初期化され、新しい偽りの記憶を植え付けられていた。

能力も・・・・使えるようになっていた。

だから俺はもう・・・・同じレベル8を殺して、生き残る方法しかなかった。