コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ざけんじゃねぇ!第二章解禁!(コメントくれよww ( No.74 )
- 日時: 2010/08/15 23:29
- 名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)
第一話「The Page is Opened」
聖ジョージ大聖堂。
大聖堂と名のつくものの、その正体はロンドンの中心街にある、たくさんの教会の一つにすぎない。そこそこ大きな建物なのだが、ウェストミンスター寺院、聖ポール大聖堂など世界的観光地と比べると格段に小さく見える。
無論、イギリス清教始まりの場所といわれるカンタベリー寺院などとは比較にならない。
そもそもロンドンには『聖ジョージ』と名の付く建物はいくらでもある。教会はもちろん、デパートやレストラン、ブティックに学校などなど。おそらく街の中だけでも数十はあるだろう。それどころか、フルネームの『聖ジョージ大聖堂』でも10以上あるかもしれない。『聖ジョージ』は国旗のデザインにも関わるほど有名なワードなので、無理もないのだが。
その聖ジョージ大聖堂は、元々『ラーナ女子学院』の本拠地だった。
これは良い意味ではない。教会の人間のくせに汚れた魔術を使い、(黒魔術)でラーナ女子学院は本拠地を奪われただけだったのだ。
白い髪の実体実験生命体一号『イコール』は、朝のロンドンを歩きながら、ミール・ラーナという隣にいる女の子の過去を聞かされていた。彼にとっては『それがどうしたというのか』と、想うことしかできない。それと、この少女だけではなく、街の風景にも困惑を抱いている。
ここの街はイコールにとって平和な街だと思っていた。なぜなら、イコールが日本の国から抜け出す前に、データバンクの端末の情報を頼りに行き先を決めていたからだ。その行き先を決める際に、ロンドンだけは未だに実体実験生命体を量産させていないことが明らかになっていた。そのためロンドンに来たというのに、それは違っていたのだ。
ロンドンは、『実体実験の量産計画』は実行されていないのだが、魔術の国へと変わっていた事実が証拠としてあったのだ。その証拠というのは、街中を歩いている会社員たちに合った。日頃の日常を異常生活していた結果だ。
会社員のある人物はカードを取り出し、そのカードの紋章には炎のマークが付く。マークから炎が暴れだし、会社員たちはそこにたばこをつけて吸いだすという行動。これを科学で育ってきたイコールにとってはまた新たな発見として驚いたのであろう。
彼にとってそれはもう些細なことにも近いことなのだが、ミールとの旅への先が不満で仕方がなくなって行く。『こんなところに俺を連れてきて、この後どうするというのか』と。
この感情を抑えきれなくなったイコールは、隣に歩いているミールに立ち寄る。
「・・・それで、お前は俺をここに呼んでどうしようってんだよ?」
「だから言ったにょん。ここからが行動開始だって」
ミールが感情を読み取れない表情でイコールへと向き直ると、この街の人々の形が歪んでいく。砂粉が、消し去る時のように、一人ひとりの粉が、空を舞って、粒子が光って消え、街にはイコールとミールの他にはいなくなった。