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Re: ざけんじゃねぇ!ざけんじゃないわよ!(第二章開幕中 ( No.84 )
日時: 2010/08/22 11:07
名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)

第13話

 現在、大聖堂前にいる二人は、階段を上りあがると、扉に手を掛け、扉を押し開けた。

 開けた扉の中は、長い通路になっており、その両端には必ず椅子が三つずつ並んでいる。ある程度の間隔をあけ、いつでも人が座れるようになっていた。周りの壁は白く、白いがゆえに、壁の彫刻でのデザインは美しく目立つものだった。 窓辺から太陽の光が現れるが、それではこの全体に電気をつけているようなぐらいの明るさにはならない。その大部分を照らしている天井側へと、二人は首を上にあげ絶句する。天井には円形を描くようにガラスで作られた女神のアートが削られており、そこから太陽そのものの光がこちらを照らしていた。
 「綺麗・・・」
 「・・・・。」
ミールだけが感動を口からこぼしたが、イコールはそのままうつむき、前へと進んで行った。天井のガラスアートに見とれていると、あわててミールが追いかけていく。

 赤いルーンの紋章が刻まれている床を歩いていく。そこに修道服を着た女性が数人現れる。

 顔を確認しようとミールが見詰めるが、彼女たちの顔は包帯で巻かれており、確認することは無理だった。そのうち、数人現れた修道服の女の人たちの目の前まで歩くと、一人が手で包帯の口の所だけ開けて話した。

 「赤いルーンの道を歩いてきても、侵入者として処理起動がされなかったということは、貴方達の体には邪気がないという事です。・・・・どうぞ、お客さま、お越しいただきありがとうございます。」
 と、丁寧に礼までして招くように数人の修道服女性は道を開けた。
 「ど、・・・どうも」
 「・・・。」
ミールとイコールはそのまままっすぐ歩いていく。扉を開け、また奥へと進み、無言の空間が二人を包む。

 大聖堂の中に響く音は、ここにいる人と、イコールとミールの靴音だけだ。長い道を進めば、また扉を開け、奥へと進むの繰り返しを3回ほど進んだところで、通行バスの横の長さ分の大きな扉が二人の目の前に。
 修道服女性たちは、扉に立ちはだかり、両手を表面に添えてルーンの一つずつに手を掛ける。そのまま「open 風と夜は日々の黒き月となり、月と夜は風の白き月を生みだす。融合をせねば汝らの神は祈るであろう」と言い、言い終えた直後に、添えた両手を右へと皆同時に回転させた。二人が黙ってそれを見ていると、扉は内側へと開き、そこには輝かしい光がこちらに大きく、広く照らす。

 「っ・・・?」
 「ま、まぶしぃ!」

 そのうちに後ろから背中を押され、中へと入って行った。

 輝かしく、まぶしいその先には、何人かの影があり、その真ん中には王座のような椅子に座っている女性の影が見える。・・・そして、その方は「お待ちしておりました」と、ゆっくりと口を開けた。