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- Re: ざけんじゃねぇッ!と言う少年と少女の物語(浩太&奈津美編 ( No.99 )
- 日時: 2010/08/23 14:07
- 名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)
第16話
尾崎浩太は強制補習を受けた後、下校をしている。オレンジ色の夕焼けの光が、街全体を、ビルとビルの隙間から照らす。
「はぁ〜、最悪だ」
と、彼はため息交じりに言い放つ。それは誰にも届いていないが、彼は自分に届いていればいいかのように笑顔でいる。
「ちょっと、あんた何笑顔でいんのよ? キモいわね〜」
突然後ろからの暴言に、それもいかにも坂条奈津美の声が聞こえたので、彼は街中の路上をまっすぐ突撃逃避する。
「あ!、・・・・待ちやがれっつってんだろぉがぁッ!」
そんな尾崎浩太に、背後から風が突撃する。おかげで彼の背中は、つってしまい、彼は街中に悲鳴を響かせた。逃げなければいいものを。
「な、・・・なんだよ、この俺になんか用か!」
「大アリよ。この子が迷子になってたから・・ってふぇッ!?」
尾崎が仰向けになりながらも、上を見上げると、奈津美の背中には、ポタコンが(めっちゃ泣きながら)抱きついていた。”お前は猿か”と突っ込みたい彼は、背中の激痛で、それを言えなかった。
「ふぇ〜〜ッ!、浩太が、こうたがいきなりいなくなったから、ど、どういたのかとおもっって、うぅ〜! 前日からちゃんと報告しとけぇ〜!」
「と、まぁ・・・こういう理由な訳よ。あんたも育て親としてちゃんとしっかりしときなさい!」
と、奈津美は言うと、ポタコンを背中から、無理やりはがして、尾崎浩太の腹の上に乗っけて置く。ポタコンはそのまま泣いた。”男なのにだらしねーな”と尾崎は思うと、ポタコンの頭を撫でて、泣き止ませた。
「ほんっと、なんていうか、あんたの育児法は改善すべきよ。今日、ちょっとあんたの家行くから、まずは料理から教えてやるわ」
奈津美は尾崎の手を掴み、ポタコンと同時に立ちあがらせた。
「マジ? それ、すげぇ助かる!」彼ははしゃぎに走ろうとしたが、奈津美の赤面に疑問を抱く。”なんでこいつ赤くなってんだ? まぁ、いつもの事か”と。
逆に奈津美からでは、”なんで私、手伝うような事言っちゃったんだろ!? でも、今からじゃ断れないよね?! これじゃ恋人同士じゃない! あれ? でも子供いるから・・・っ!? 夫婦!?”とまぁ、妄想が膨らんで行くのだった。覚悟をした奈津美は。
「よし、じゃぁお姉ちゃんが腕をあげて、ハンバーグを作るとしましょうか!」
と、袖をまくりあげて言い放った。もちろん尾崎浩太はさらに喜ぶ。ポタコンも、、人の作る食べ物に興味が湧いたようだ。
”もうどうにでもなっちゃえ!”が、奈津美の頭の中だった。