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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 一瞬またたき。 ( No.21 )
- 日時: 2010/08/03 20:48
- 名前: 蒼莉 (ID: 3lsZJd9S)
8
家の近くにある
大きな海。
青、青、と呼んでいたその綺麗な海に
私は今、
沈んでいたかった。
「かーづーーっ!」
そんな深い深い夢を、壊したのは、
耳にくる、高い声。
芯のある声だけど
私にはちょっと、高めかしら。
「……うるさいわ、彌其 Misore 。」
「だって、やっと4時間目の途中にやっと
学校来たと思ったら、途端に寝ちゃうん
やもん。私、気になって気になって」
「……あっそ」
表情をなにも浮かべない私を見て
彌其はニコニコしながら
私を見る。
その顔がなんだか私には眩しくて
私は思わず顔を逸らした。
「弟クン、なんだか元気なかったよ」
「……」
——冬、花…に、
……元気がない?
私はチラッ、と彌其を盗み見する。
するとその視線に気がついた彌其が、
私をニヤニヤと見つめた。
「…やっぱり、好きやね、冬花ちゃん」
「……」
いまさらだが、
彌其はエセ関西弁だ。
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