コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 題名未定 第二話更新 ( No.12 )
- 日時: 2010/08/02 01:34
- 名前: 土御門 ◆p4Tyoe2BOE (ID: SI24yRUY)
第三話
俊は困っていた。別に某幻想殺しさんみたいに不幸な訳ではないのに、家から出て15分くらい歩いたらつく公園で我が校の不良さんに絡まれた。何故だろう?と俊は考えながら、不良さんは絡んでくる。
「おうおう、兄ちゃん。俺が誰だか知っててガン飛ばしてんのかぁ?あぁ?」
もはや天然記念物レベルの絡み方だが不良であることに変わりはない。俊は穏便にことを済まそうと、誰なのかを考え始める。
「俺様が古川一斗と知りながらガンを飛ばしてきたのかぁ?あ?」
自分から名乗りだした……質問の意味がないと俊は思いながらこの状況を安全に抜ける方法を考える。その数秒の沈黙すらも肯定と扱われ
「そうか、そんなに殴られたいのかテメェは!」
「俺、何も言ってないんですけど?!」
そう言って顔に向けて拳を放ってくる。俊はその拳を腕でガードする。なかなか力があるな。と思いながら俊は少し後ろにさがる。
「なんでいきなり殴ってくんの!」
「あぁ?むしゃくしゃしてるからに決まってるだろうが!」
それってただの八つ当たりでは?!と思いながら右手に持ったカバンで古川の頭を殴ろうとする。
「うぉ」
少し驚いた声を出すと腕で顔を防御する。さっきの俊の様な勢いを殺さない防御なので少し腕がしびれるはずなのだが
「おらぁ!」
古川が俊の腹に向けて蹴りを放ってくる。カバンで攻撃したばっかの右側を蹴ってきたので防御が間に合わず
「いっつ・・・」
俊の顔が苦痛で歪みしりもちをつく。周りには主婦やサラリーマンがいるが、見てみぬ振りをしている。警察などに連絡をしようとするものすらいない。
(当然か……)
少し連絡する人がいるかな?と期待したが予想通りみんな見てみぬ振りをしている。そこにある感情は『かわいそう』 『自分には関係ない』 『他の誰かが助けるだろう』 などの感情があるはずだ。実際自分が周りの人の立場になっても、見てみぬ振りをするだろう。そんな厄介ごとに首を突っ込むほど俊は正義感が強いわけではない。だけど
(気持ち悪い)
自分勝手だと思ってもそう思ってしまう。俊がそんなことを思ったら、
《周囲が歪んだ》
「は?」
古川が間抜けな声をあげる。周りの人はあまり気にしてないが、古川は《原因》に近いから気づいてしまったのだろう。そこで俊は
(まずい……)
とっさに地面にあった石や砂を古川に投げつける。
「うわっ……待ちやがれ!」
そして俊は古川がひるんだ隙に学校の方向に向けて走り出した。古川は追いかけようとしたがやめた。《周りの雰囲気が綺麗になった》からだ。追いかけようとする原動力の怒りがすぐに消えた。
「まあいいか……なんだったんだ?さっきのは?」
俊はそのまま古川が見えなくなるまで走り続けた。