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Re: 題名未定 第五話更新 ( No.25 )
日時: 2010/08/10 03:44
名前: 土御門 ◆p4Tyoe2BOE (ID: SI24yRUY)

行間3

 ゴッ! と、人を殴る音がする。殴ってる男は20代後半ぐらいの男、殴られてるのは小学校低学年ぐらいの少年。周りは暗い、物は少ないが高級感が漂う部屋。

「殴られる前に避けろ。俺の息子ならそれぐらいはできるはずだ。」

 男は言った。淡々と、心配などまったくしてない様子で

「っ…………」

 男に殴られて倒れた少年はうめき声をあげる。少年の体には無数のアザや切り傷などがついている。

「どうした俊。もう死ぬか?」

 俊と呼ばれた少年は、立ち上がろうとするが力が入らない。

「避けないのか。なら死ね」

 まるで路上の空き缶を蹴るような動きで俊を蹴ってくる。それを俊は無理やり足に力を入れて

「っあ…………」

 無理やり後ろに飛んで避けた。もちろん、受身などもとれるはずもなく、そのまま背中で床を滑る。怪我に響くが気にしてる暇はない。

「……よく避けたな」

 次に攻撃がきたら避けきれない。次の攻撃をどうやって防ぐか考えている間に男の手に黒いナイフが握られている。絶望を固めたような真っ黒いナイフを

「死ね」

 そう言って俊の腹に突き刺した。

「がっあああああああああああああああああ」

 俊の悲鳴が響く。その間に腹のナイフは刺さったままどんどん、俊に《吸収》されていく。俊の叫びからはナイフが刺さった痛みよりも何かに恐怖、絶望してるような感情が込められている。

「あああああああああはははははははははは」

 悲鳴は笑い声に変わる。狂ったような笑い声に

 「吸収するところを見ると……お前の力は本物か。」

 黒いナイフが全て吸収されると徐々に笑い声も収まってくる。俊はぐったりとしている

「はっ……はっ……」

 ぐったりとしているが俊の周辺からは嫌な圧迫感を感じられる。常人では感じないが男は感じている。

「おもしろい……」

 そういうだけで、男は部屋を後にする。俊は呟くような小さい声でぽつぽつと言葉を発している。

「殺してやる……武器を……」

 俊の手にはいつの間にか握られていたのか、黒いナイフを掴んでいる。それは俊に刺さったものをは違い酷く不恰好だが、それを握り締め

「殺してやる……」

 それだけ言って俊の意識は途切れた……