コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

紫電スパイダー 番外編「Danceing spider」#3 ( No.78 )
日時: 2010/09/26 21:39
名前: 紅蓮の流星 ◆vcRbhehpKE (ID: Da9K.gCv)

「お前さん、『紫電』って言うんだってな」
『ギャンブラー』は紫苑に言う。
紫苑は二杯目のワインを飲みながら、横目で『ギャンブラー』を見る。
「・・・人に名を訊く時は自分から名乗れ」
紫苑は目を逸らすといつもの台詞をさらりと言う。
「おっと、コイツぁ失敬。
 俺の名は『黒災 暗呪(くろさい あんじゅ)』。コードネームは『ギャンブラー』だ」
「・・・籐堂紫苑。コードネームは『紫電』だ。・・・それで、俺に何の用だ?」
からん、とグラスを鳴らして言う。
「喧嘩なら歓迎だが」
紫苑はにやり、と嗤う。
その言葉を聞いたマスターは「冗談じゃねえよ」とでも言いたげな表情で紫苑を睨む。
「残念ながら、喧嘩じゃねえんだなあ、これが」
という暗呪の言葉に、紫苑は「なんだ、つまらん」とでも言うが如く
ちっ、と舌打ちをし、ワインを一口飲む。

「賭けをしないか?『紫電』」
暗呪のその言葉に、ぴたり、と紫苑の手が止まる。

「ルールは『トゥルートゥルー』、賭け金は互いの有り金全て。・・・どうだ、乗るか?」

一瞬の静寂の後、紫苑がククク、と嗤いを漏らす。
「・・・面白い」
紫苑はグラスを置き、立ち上がる。

「その賭け、乗った」