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「琴音〜〜　おはよう!!」

朝から、元気ですね・・沙羅
あたしにはそんな活力ありません・・

「おはよう、沙羅　今日から高校生だよ?　緊張するーー」

「あらっ珍しい!　琴音がそんな事言うなんてね　うちはどれほどこの日を待ち浴びていたことかっ・・」

急におばさん口調になる沙羅・・

すると、突然後ろから沙羅よりも早い勢いで走ってくるーー男子生徒・・

　　　ドンッッ・・!!

あたしはその男子生徒にぶつかってしまった・・

「大丈夫!?　琴音!!　ちょっとあんたちゃんと前見て走りなさいよっ!!　危ないじゃないっ」

沙羅が男子生徒に向かって、怒っている・・

「すいません、大丈夫ですか?　怪我してませんか!?　何処も痛くないですかっ!?」

心配性なんだな・・この人・・・

「だっ大丈夫です!　気にしないで下さい!!」

なんか、尻もちついてしまった自分が恥ずかしい・・

「なら良かったですっ!!　それじゃ、僕はこれで・・」

そう言って、彼はぶつかったと同時に落とした鞄を拾って、また走って行ってしまった・・・

その後に、沙羅が言う

「ねえ・・これ・・さっきの男子生徒の鞄だよ!!　間違って持って行っちゃったんだね・・どうする？　琴音・・」

「そんなこと言っても、あとで返しに行かなきゃでしょ!?　どうしよう・・責めて、学年さえ分かれば良いんだけど・・・・」

すると勝手に、沙羅はさっきの男子生徒の鞄を開いてしまった・・

「ちょっと、勝手に見ちゃダメだって・・!」

必死に止めるが、間に合わなかった・・
そして、入っていた生徒手帳の中を見てしまった・・

「なんだ、同じ学年じゃんっ!!　てっきり、年上かと思っちゃった!!」


　　『桜井拓真』

さっきの生徒・・拓真って呼ぶんだ・・


桜が満開のこの季節・・
あたしは、高校生になった