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Re: 叶わぬ恋…してもいいですか?    ★イメソン決定★ ( No.199 )
日時: 2010/10/28 20:55
名前: ナナ (ID: uzSa1/Mq)

 23話


この日の空は少し淀んでいた。
梨湖は琴音の家の前立ち軽く深呼吸をし、インターホンを鳴らす。

ピーンポーンと二回繰り返された時だった。

「あっ、梨湖。早かったね、入って。」

玄関の扉が開きいつもと変わらない琴音が出てきた。
梨湖もいつもと変わらず

「お邪魔しまぁす。相変わらず綺麗。」

などと言い家の中を探索していた。
今日は体育祭の振り替え休日、だから家には誰もいない。
そのことにお互いが安心していることを二人は知らない。

「待っててね、お菓子とジュース持ってくる。」

琴音はそう言い階段を小走りに下っていった。
梨湖は安堵のため息をつく……気晴らしにお菓子とジュースを置いておくことぐらいは理解できたし想像できた。

「お待たせ……いきなりだけど話していい?」

琴音は顔色を少し鎮めて聞いた。

「……琴音は中野目君の事が好きだけど、どうすれば裕人を傷つけないか……ちょっと違ったか、私と裕人を傷つけないか……そうなんでしょ?」

梨湖は語尾に少しの疑問を抱いたように言ったがほぼ確信、そんな風に琴音を問いただした。

琴音は何も言わず、言えずに梨湖を見て瞳から涙があふれ出すのだけを感じていた…。

「ご、ごめんなさいぃ……私だけが辛い思いをすれば終わると思ってたのに、なのになのに梨湖にも私以上に辛い思いさせてた、裕人にも夢理にも。」

あふれ出す涙は止まることなく湧いてくる。
琴音は気付いたのだ。四人とも辛い思いをしていると、体育祭の日に見た夢理と裕人あれはきっと梨湖から全て聞いたんだ、それでも薄々は気付いていたんだ。

—私だけじゃなかったんだ—

「琴音は一人じゃないんだよ、その辛さ、悲しみ、ちょっとくらいなら皆に分けても良いじゃん。もっと、もっと甘えなよ。周りを頼って。」


琴音は顔を上げる。そこに居るのはいつもと変わらぬ笑顔を浮かべる梨湖。
琴音は気付いた。梨湖の方が遥に強いと。

「うん……ありがとう。本当にありがと。」

琴音がここに居られるのはきっと梨湖のおかげだ。

「いえいえ、どういたしまして。」

「これから二人に逢いに行こ……ね?」

梨湖は言葉をつづけて言う。この言葉を断れるわけがない。

「もちろんだよ。」


目は赤かったがそこにはいつもの彼女が居た。




私の選択でここまで皆を苦しめた。


でも今日……一番の友が私を許してくれた。私は存在して良いんだって思えた、頼っても良いんだって思えた。


私はもう迷わない。もう何も手放さない……


皆が私を信じているように、私も皆を信じているから



—貴方を好きになれて……良かったです—




二人は立ちあがり窓を見る。
雲の隙間からだんだんと太陽が顔を出してきていた。

まるで四人を表しているかのように……


…続く


…なんかもう終わっちゃいそうですね((焦

あっでもまだ続きますからご安心を^m^
多分……(−−〆)…いえ…絶対です((笑