コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 叶わぬ恋…してもいいですか? ★イメソン決定★ ( No.229 )
- 日時: 2010/10/28 22:30
- 名前: ナナ (ID: uzSa1/Mq)
24話
裕人の家へと向かう裏路地の細い道を歩いていた。
琴音はもうすっかり泣きやみ笑顔を保ち続けたままの梨湖と並んで歩いていた。
しかし琴音の顔は晴々とはしていなくどこか不安を残しているそんな印象を与える。
「琴音? 大丈夫だよ、裕人は優しいもん。人の気持ちを誰よりも優先してくれることを一番知っているのは……誰か分かるよね?」
梨湖は琴音の真ん前に立ち首をかしげる。笑顔のまま……
琴音は重そうに口を開く、
「そうだよね……一番分かるのは梨湖。最初から二人が結ばれてれば良かったんだ。お互いを思いやっていたのに私が引き裂いた……」
梨湖は一瞬だが目を見開き笑顔が少しずつ消えていく。
「何で何で知ってるの? まさかあの時……居たの?」
梨湖から笑顔は消えさっきの顔が嘘のように見る見るうちに悲しげな瞳、辛い顔をした表情になった。
「ごめんね……でももう知っちゃったから、梨湖が気づいてないことだって……あるんだよ。」
琴音は梨湖に少しだけ優しい言葉を掛け顔を伏せる。
だがその言葉には少しだけ刺もあった。美しい薔薇のように。
梨湖は何て言ったらいいのか分からないらしくただただ呆然としていた。滴が頬を伝うのにも気づかずに
「私こそごめんね、最初に伝えれば良かったんだよね……裕人は今も琴音の事が好きなんだよ。でも琴音が夢理を好きなんだって悟った裕人は、琴音と別れるつもりだったんだよ。幸せになって欲しかったから。そこで私が裕人の隣に居るべき人になろうと思ったの。やっと両想いになれた。そう思ったのにあの日言われた好きって言葉には……悲しそうな声と苦しい思いの詰まった言葉だった。私はそれで気付いたの、私じゃ駄目なんだって。これで私が知ってることは全部話したよ。それじゃあ……行こうか。」
梨湖は辛いことを話したのにさっきより表情は良くなってた。
「私、私……分かんないよ。何が何だか……何が真実? 私ってなんなの、何が正しいの?」
琴音はうずくまる。こんなに言いたいことを言えるのは本当の親友にだから? それとも……
梨湖は何故か近づかず顔を俯かせた……そして掌に力を入れ迷わず振り上げ振り下ろす。
バシッと乾いた音が響き渡った。
梨湖は俯いていたがたくさんの滴を流していたのが分かった。
はたかれた本人、琴音は少し赤くなった頬を上げ呆然としている。そして滴が落ちる。
「私の気持ちも少しは分かってよ。お願い、私の気持ちも少しは考えて。」
梨湖の涙声が青空に響き渡っていた。
その時何故か一滴空から落ちてきたのに気づく者はいなかった……
…続く
相変わらずシリアス一直線ですね…((焦
早く脱出しないと…(−−〆)
でも…次回のシリアス予報を見るとかなりシリアスでしょうと言う結果が…((苦笑
次回もお楽しみに☆