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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 叶わぬ恋…してもいいですか? ( No.277 )
- 日時: 2010/12/19 12:02
- 名前: ナナ ◆JUP8K6dM0U (ID: Tj9sX3SJ)
†。○*番外編*○。†〜桜の恋〜
いつもと変わらぬはずの教室に入る。
ドアをそっと開けてそそくさと入って行く。
急いで席につき机の中に入っている五百ページほどある本を取り出し読み始める。
本で顔を隠し辺りを見渡す、
「はぁ、友だち出来ないなぁ……琴音ちゃんと梨湖ちゃんと一緒が良かったよぉ。」
そんな事をボソッと言いながらため息をつく人影、近藤桜だ。
今年のクラス発表を見たときは愕然とした…二人と離れるとは思ってもみなかったから…。
始業式が終わってから二カ月も経っているのに一度も教室に来てくれることはなかった。
桜が自分から行けばいいのだがなかなか一歩が踏み出せずに居た。
自分でこのままでは駄目だと分かっているが誰かに話しかけようとすると声も震えるし足がすくんでしまうのだ。
チャイムが鳴り皆席について行く。
先生が教室に入ってきたが皆、静かに本を読んでいた。
しかし桜は159ページを開いたままボーっとしているのだった。
桜はその後もそんな調子でHRを終えたのだった。
「……あれ、もう終ってたの?!」
あと2、3分で授業が始まってしまう。
しかも次は音楽で、移動しなくてはならない。
桜は内申、誰か声を掛けてくれてもよかったのに……と歯を食いしばったのだった。
そう思ってはいても言葉に出せない自分が悪いことは心のどこかで分かっているのだが……
誰もいなくなった教室で桜は穢れの無い涙を流す。
引き出しから筆箱を引っ張り出しロッカーから教科書を取り、急いで駈け出す。
その途中で桜が涙を拭ったのを見たものは……
ただ一人しかいなかった。
…続く
次回から新キャラ出したいのでオリキャラ投稿お願いします<m(__)m>
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