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　31話



「……冗談だよね『メイドカフェ』って……」

琴音は思わず大きな声をあげてしまった。

慌てている琴音をよそに梨湖は

「もちろん、冗談……本当は『男装カフェ』と『女装カフェ』だもん」

とこれでもかというような笑顔で恐ろしいことを言いだすのだった。

しかしその言葉を神崎さんと上田くんは聞き逃しはしなかった。
二人は顔を合わせニコリと微笑む……その笑顔にも黒いオーラを感じたのに間違いはなかった。

「伐鳫さん!!　その案良いですよ、それで決まり」

と神崎さんは一方的に決めてしまった……しかしクラスの盛り上がり、ウケもとてもよかったのだった。


そんな二日前の出来事が走馬灯のように頭の中を駆け巡って行った。


ふと琴音は大きな疑問が浮かんだので梨湖に聴いてみた

「あのさ、梨湖……まさかとは思うけど……夢理と裕人は『女装』しないよね」

すると梨湖は琴音の目をじっと見て

「二人が『女装』しなきゃお客さん入らないに決まってるでしょ」

当たり前だと言うようにため息をつきながら言った。

その言葉を聴いたとたん琴音は顔を伏せた……

梨湖は少し顔をニヤつかせ

「大丈夫!!　二人は超似合うよ」

と琴音の肩をポンポンと押しまた準備を始めようとした、そして最後に

「琴音の『男装』が一番だけどね」

と微笑み段ボールを抱え２—Ａのクラスへと歩いて行った。

梨湖の一言に少し喜んでいる琴音がいた。

…続く