コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 叶わぬ恋…してもいいですか?      *オリキャラ募集中* ( No.295 )
日時: 2011/01/03 17:50
名前: ナナ ◆JUP8K6dM0U (ID: Tj9sX3SJ)



 32話


 夢理side

はぁ……何でこんなことになってるのだろう??
二日前の事が原因なのかは不明だが夢理は頭が痛く今日は家で寝込んでいた。

ジャージ姿の夢理は上半身を起こし、時計に目をやる……現在PM三時五十五分。
そろそろあいつが帰ってきてしまう時間だ、めんどくさい事になるな。
そんな事を考えていると玄関のドアが勢いよく開かれた音がした。
その人物は迷わずに俺の部屋へと階段を駆け上がり、息を整え入ってきた。

「夢理兄ずりぃー、普通に元気そうなのに」

紅兎だった、そして俺の耳元に自分の口を近づけて

「この間の子……琴音? だっけ、寂しがってんじゃない」

と正にいたずらっ子っぽい顔をして言い、俺の反応を待つ。

「馬、馬鹿そんなんじゃねぇよ」

と立ちあがり思いっきり怒鳴っていた……自分でもドキドキしているのが分かっていた。

その様子に紅兎は耳を押さえつつも片目を開き

「本当、分かりやすいなぁ……琴音、可愛いし僕は良いと思うけど、まぁせいぜい頑張って」

と見事に紅兎にバレてしまった。

俺は寄り一層、顔が……胸が熱くなるのが分かった。そして最後に部屋を出て行く紅兎に

「琴音の事、呼び捨てにすんなよ」

と叫びこの騒動は俺の完敗で終った。

しかし大きな問題が残っている……



—なんで俺が『女装』しなきゃなんだ—


頭の中で考えてみる、だが一瞬にして消す。
恥ずかしい、キャラじゃない、ただそれだけのことだ。
窓に寄り、外を観る……夕焼けぞらとあいつの笑顔が重なって見えた気がした。

話そう、あいつに相談すれば気持ちが変るはずだ。

机の上の携帯を取り、迷わずにそいつのアドレス帳から電話をかける。
ワンコール、ツーコール
お願いだ、出てくれ、この不安はお前じゃないと消えないんだよ……



—琴音、琴音……—


…続く