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Re: 叶わぬ恋……してもいいですか? ( No.338 )
日時: 2011/01/08 22:34
名前: 羅希 ◆JUP8K6dM0U (ID: PBJobJTc)


 37話



琴音と夢理はそのあとそっと身体を離し、微笑みながら手をつないでファミレスに向かっていた。


「……やっぱお前可愛いな」

夢理は少しも照れた様子もなく、ポテトを口に運びながら言う。そんな夢理をよそに琴音は驚いたように少し焦り、食べていたポテトむせる。

「ゲホッ、ちょ……ゴホゴホ、い、いきなりやめてよ」

目を潤ませながら言う。苦しかったらしく、オレンジジュースを一気に飲み干す。夢理はその様子にクスッと笑っていた。

「可愛くて面白いとか最高だよ、癒される……今さらだけどさ、彼女になったくれて本当にありがとう」

肘をつき、琴音を見つめ頬を赤く染めながら言う。琴音はまたもやむせ、必死で息を整えている。

「ゼーハー、ゼーハー……本当に夢理どうしたの? なんかいつもと違うよ?」

琴音は不安そうに顔を歪め、夢理をじっと見る……そして琴音は気付く。

「……夢理、酔っぱらってる? でもお酒なんてないし……って!! もしかしてこのデミグラスソース!!」

琴音は夢理が食べていたオムライスを見て、手に取ろうとする。
しかし夢理が先に手に取り心なしか赤い顔で琴音に話しかける。

「……琴音、食べたいの? 良いよ、あげる……はい、アーンってして」

琴音は一瞬反応が出来ず、呆然としてしまう。夢理は相変わらず微笑んだ顔でスプーンいっぱいにのっているオムライスを琴音に食べさせようとしている。

「えっ!! 本当に酔ってるの? どうしよ、夢理が微量のワインで酔うなんて……」

琴音は困ったような顔をひきつらせ、間の前に居る御機嫌の夢理を見ていた。

「琴音、どうしたの? 俺いつもどおりだよ……オムライス食べないの? せっかく俺が食べさせてあげるのに……」

夢理はふてくされたように頬を少し膨らます。琴音は少し迷いながらも夢理の顔の前に自分の顔を持っていく。

「今日だけだよ……」

そして戸惑いながらも口を少し開ける、夢理が一転変わって笑顔になりながら琴音の口にスプーンを運んで行った。

「美味しい? 俺が食べさせたんだからより一層美味しいでしょ」

満足したように夢理は微笑む。琴音は少し呆れた様なそんな顔でいながらも吹っ切れたように笑顔に戻る。

「うん、美味しかったよ……ありがとう」

夢理も相変わらずの笑顔でコクンと頷いた。琴音も笑顔になり、またポテトを食べ始めるのだった。

今日は意外な夢理の一面を見て驚いた琴音だったが、クールじゃく、甘い夢理も良く、幸せで微笑ましい時間を過ごしたのだった。




……続く