コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Episode 05 なんか悪い予感がするのは俺だけか? ( No.103 )
日時: 2010/09/20 16:32
名前: むーみん ◆LhGj6bqtQA (ID: 20F5x0q3)



「……ッ!」

挟まれた。
いつの間にか前にも追ってがいる。
逃げ場を失ってしまった。
しかし俺らは下手に動くこともできず、立ち往生する羽目となった。
一歩ずつ、集団が近寄ってくる。

「ちょっと待て! なんで俺らを追うのか説明しろ!」

俺は状況がまだつかめず、慌ててそう言った。
すると、黒いつなぎを着た集団の中から白いシャツにジーパンといったラフな服装をしている男が出てきた。
雰囲気から察するに、きっとこいつがこの中では一番偉いのだろう。

「あれー? ご存じないですか。そこにいる……」
「ちょっと待て!!」

その男が言葉を言い切る前に、レオが声を発した。
いつものレオではない。
俺から見えたレオの横顔は、冷静で、だがどこか不安を抱えたような顔をしていた。

それを見た男はクスッと笑うと口を開いた。

「なにをおっしゃいますか、私どもが追っているのは他でもない。あなたですよ」

喋り方こそ丁寧だが、その表情は怒っているように見える。



「クレメント・レオ様」



「……!?」

クレメント・レオ。
それがレオの本名なのだと確信した。
つまり、ネロの言っていたクレメント家の跡取りの脱走事件。その張本人こそがレオだったのだ。

「さっさと引き渡していただけるなら、こちらも手出しはしませんよ」

そう言いながらも、その男は手に小さな銃を持っている。
よく見ればまわりを囲む人も武器を手にしていた。

「やばくね? ねぇ、この状況やばくね?」

エルナが言った。
レオは下を向き黙っている。
ったく、こいつらは……

「……逃げ場つくれ! 全力で逃げるぞーっ!」