コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Episode 05 なんか悪い予感がするのは俺だけか? ( No.107 )
- 日時: 2010/09/23 09:13
- 名前: むーみん ◆LhGj6bqtQA (ID: 20F5x0q3)
もちろん、あっさり逃げられるわけもない。
「レオ様には傷つけるなよ、怒られるの俺なんだから。他の二人もついでに捕獲しろ」
白いシャツの男がそう言うと、数十人はいるであろうと思われる人たちが、一気に俺らに向かってきた。
街中なら人も多く、相手も簡単に武具を使えないのだろうが、あいにくここは周りには森や人も住んでいないだろうと思われる小さな小屋しかない。
もちろん人なんてほとんどいないわけで、こちらにとっては不利な条件がそろっている。
狙いはレオ。
しかしレオは華麗な体術で次々と向かってくる人を倒していく。
向かってくる相手の手首を右手でつかんだかと思うと、左手で相手をふわりと浮かせ、地面にたたきつける。
何というか、超すっげぇ!
だが、俺にも余裕なんてなかった。
俺らは立場上『レオを連れ去った犯人』といったところなのだろう。
俺とエルナにも何人か向かってきている。
相手はクレメント家。
ここで間違って殺してしまったら、国家的権力に喧嘩を売ったと言っても過言ではない。
もちろんそんなに面倒くさいことに巻き込まれたくはないが、レオを渡す気もない。
ここで一番いい解決策は——
「お前らっ! こいつら一人も殺さずに逃げるぞ、タイミング図って走れ!」
「言われなくても逃げるわよッ!」
そういったエルナは、とっくに走り出している。
どんだけ逃げ足速いんだ、あいつ。
俺もレオも、立ちふさがる人を気絶させ、逃げ道を作ろうとする。
しかしその時、前にあの白いシャツの男が立ちふさがった。
「逃がしませんよ、レオ様。屋敷にお戻りください」
「断る」
「ならば力づくででも連れ戻して見せます」
「……やってみろ」
「後でなっっ!」
俺がそういうと、俺もレオも一気に走り出した。
猛スピードでダッシュ、ダッシュ。
「追え!!」
後ろから声が聞こえたが、心配はいらないだろう。
だって、あの白シャツ以外、全員気絶してるもん。
とにかく遠くに走った。