コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Episode 05 なんか悪い予感がするのは俺だけか?( ( No.114 )
日時: 2010/10/02 10:43
名前: むーみん ◆LhGj6bqtQA (ID: 20F5x0q3)


「だれだっ! しつこいんだよ! こっちくんなよこの野郎!」

「え、えぇ!? なんですかいきなり! どうかしたんですか?」

会ってそうそうどなられた男は、戸惑ったようにそう言った。無理もない。
男と言うより少年と呼んだ方がいい年齢だろう。俺らと同じか、それよりも下の年齢だと思われる。
その少年は俺らの前に立ち止まると、首をかしげながら言った。

「いえ、さっきからそこにいたから……どうしたのかなー、と思って……あ、すいません、迷惑ですよね!」

「迷惑じゃないんだけど、結構質問していいか?」

レオがさっきのパニくっていたのとは全く違う声色で、落ち着いてそう言った。

「え、はい」

「お前はクレメント家の人間じゃないな? そもそも誰? あと、ここにショートカットの天パのアホ面の女来てねぇ?」

「あ、僕はリスティア・フィルです。ここで宿屋やってます。えーっと、天パの人だったら……」

ゴツッ!
フィルが言いきる前に、鈍い音が聞こえた。
その音の正体は、他でもない。

「誰がアホ面よ、しかも、天パじゃない! 自然なウェーブなの!」

エルナがレオの頭をたたいた音だ。
エルナは俺らが隠れていた小屋から、パンを片手に出てきたようだった。

「おお! エルナもここにいたのか!」

「まぁね。ロカも無事だったみたいで良かったわ、あいつは死んでもよかったけど」

「はぁ!? 真っ先に逃げた奴が言うな!」

「逃げるが勝ちなのよ! つまりあたしが勝ちなのよ!」

エルナの言っていることは、間違っていると思うのだが。
こうして3人もそろい、いつものごとく二人は口げんかをしている。
さっきまでの緊張感とは対照的に、一気に騒がしくなった。

「ここじゃぁ何ですし、中へどうぞ」

「ありがとう、そうしようぜ?」

フィルの提案に真っ先に賛成する。
何せここで騒いでいたら、いつあいつらが来るか分からない。
まだ追われる可能性は十分にるのだ。否、必ずまたあいつらは来るだろう。
フィルに案内されながら、小さな小屋へと入って行った。