コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Episode 01 今までお世話になりました。 ( No.13 )
日時: 2010/08/10 09:42
名前: むーみん ◆LhGj6bqtQA (ID: 2.GeU6Nm)



運命の出会い、とはこういう事をいうのだろう。

「え! ってことは、お前も家出っ!?」

「そーだよ」

「俺も家出たんだよっ! 友達になろ—
「断る」

俺の言葉を遮り、予想もしない答えが返ってきた。

「え、俺と友達になりたくて尾行してたんじゃないの?」

「それは違う。俺の行きたい方向にお前が行ってんの」

「んじゃ、一人でどこか居候すんのかよ」

「居候ってのは人聞き悪いな。一人旅って言え」

もうさっきまで赤く光っていた夕日は沈んでいる。
ここから、俺の説得が始まった。絶対こいつとこれから一緒に旅するんだ! このチャンスを逃したら次はないと思え、俺っ!

「んじゃ、俺も一緒に」

「嫌」

「なんでだよ? 俺、それなりに役に立つと思うぞ?」

「期待してないから」

「…大丈夫だって! そこそこ剣術やってきたから」

沈黙。
少年は、少し何かを考えているようだった。

「…例えば、俺がだれかに追われているとしたら、どうすんの? 守ってくれんの?」

…あれ? こんな性格の奴だっけ。
あって間もないが、その言葉には少し違和感を覚えた。否、少し彼の表情が悲しげになったからなのかもしれない。

「もちろんだっ! だから一緒に!」

迷わず言った。
笑い声が聞こえる。

「ははは、冗談だよ。自分の身ぐらい自分で守れる」

「一人より二人のがいいだろ。俺、行くとこ無いんだよ」

「とりあえず今日は遅いし、宿屋にでも泊まるか。金、それなりには持ってきてるんだろ?」

「…? ってことは」

「俺、レオ。上の名前は聞くな」

こいつ、いいやつだっ! 今…俺、軽く泣きそう。
不安だらけだった出発からわずか数時間。これから始まろうとする旅に、少し希望が持てた気がする。

「俺はロカ! アルトリート・ロカ! よろしくなっ」

「あ、あと一つ。俺と一緒に行動して、危険な事あってもしらねーぞ嫌ならついてくんな」

「一生ついてく!」