コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Episode 02 とりあえず、泊めてください。 ( No.25 )
日時: 2010/08/13 22:41
名前: むーみん ◆LhGj6bqtQA (ID: 20F5x0q3)


→Episode 02 とりあえず、泊めてください。


歩いていた。ただただ、ひたすらに。目的もなく。
ずっと…。永遠に………。


「じゃねぇ! どこまで歩くんだよっ!」

さっきからずっと前を歩いていくレオに、俺は少し怒りを覚えた。
どこ行くんだあいつっ!

あれから一晩。
目を覚ますとすぐ宿を出た。しらない道を、どこに行くのかもわからず、あげくに昨日会ったばかりの奴について歩いている。

「んなこと言ったって、行くあてないんだから、しょーがねぇだろ」

「だーけーどーっ! もう疲れたー」

「俺、家出に関してはプロだから。いいか? こういうのはなぁ、歩いていると前にチャらい男に絡まれてる女の子が現れ、助けてあげるとその女の子は実はめっちゃ金持ちで…」


こ…こいつ、思考回路おかしいんじゃないだろうか?

なんかのベタすぎる展開の漫画やら小説やらの読みすぎだろ!
そんな展開、あるわけな…………


歩いていると前にチャらい男に絡まれてる女の子が現れた。


「ほら見ろ。言ったとおりだろ?」

「いくらなんでも、ベタすぎるだろーがぁぁぁあ!」

な…なんなんだ、これ! この前までのちょっとまじめな感じはどこに行ったんだ! 
戻ってこい! カムバック『Episode 01』!!!
結局はグダグダなのかよ、これっ!!!

「よし、いくぞロカ。きっとあいつはものすごく金持ちだから」

あぁ、その自信はどこから来るんだ……。

しかしその時、さらに俺の目を疑う出来事が起こる。
壁の崩れるような音がした。
…というか、目の前にあった誰かの家だろう建物の壁が崩れている。
例の、金持ちの(?)女の子が男を蹴り飛ばしていたのだ。
男は壁に叩きつけられ、顔を青くして逃げて行った。

「ったく、何なんだあいつら。うっざいなぁ」

女の子は、手をパンパンっとはたいてぼそっと呟いていた。
怖ぇぇ!

「よし、なんか計画と違うけど行くぞ」

隣にいる男は、俺に向かってそう言った。
こいつの頭の思考回路も怖ぇぇ!