コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Episode 02 とりあえず、泊めてください。 ( No.31 )
日時: 2010/10/11 18:14
名前: むーみん ◆LhGj6bqtQA (ID: 20F5x0q3)

「…で、あなたたちは何の用ですか?」

天然パーマなのか、ゆるくウエーブのかかった栗色のショートカットの髪をした、小柄な少女が俺らに向かってそう言った。
なんというか、ちょっと怒ってる感じの顔が、超かわいい。

「ロカ、きもいぞ。ニヤけんな」

「に…ニヤけてなんかねぇよッ!」

うわー、周りからもこの女の子からも、絶対変な目で見られてるよ。

「で、何か用ですか」

「んー、なんか変な男の人と絡んでたから、気になって。まぁ、俺ら必要なかったみたいだけどね」

その質問にはレオが答えた。
こいつ…初対面の人としゃべるのうまいな!

「はい、ナンパっていうんですか。しつこくて」

「へぇ、大変だね。ところでさ……」

「はい?」

「きみんち金持ち? よかったら友達にな——」
「…!?」

レオが言葉を言い切る前に、轟音が響いた。
例のごとく、少女が無表情でレオを壁に突き飛ばしていたのだ。
あぁ、哀れな……。でも、さっきのはレオが悪い。いくらなんでもいきなりすぎるよ。アホ。
通行人は立ち止り、こっちを見ている。
まぁ、無理もないのだが。

壁に叩きつけられているレオのほうはというと、どうやらキレたようだ。
頬がピクピク動き、表情は笑いながらもひきつっている。

「……何しやがるんだっっ! 女だからって調子のってんじゃねぇぞ!」

「はぁ? 初対面の人に金持ちって聞く人の方がおかしいでしょう?」

ごもっとも。

「だからって、急に本気でキックしてくる方もおかしいだろっ!」

ごもっとも。

「言わせてもらうけど、あなた、さっきの奴らと同類よ? むかついたから蹴っただけ。文句ある?」

ごもっとも。

「くッ……」

レオは返す言葉がないようだ。
まぁ、無理もないだろうが。
これは…俺が仲介に入った方がよいのだろうか。

「まぁまぁ、ねぇ、とりあえずさ、君の名前は?」

「ブルーンス・エルナ」

未だにレオは怒っているようだが気にしない。

「ここで会ったのも何かの縁だしさ、よかったら話聞いてよ」

「嫌。時間の無駄」

くっそー…むかつくな。こいつ。
でもここは抑える。押さえろ俺。

「旅してて、今日泊まるとこないんだけど。よかったら……」

「え、あなたたち、旅…してるの?」