コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Episode 02 とりあえず、泊めてください。 ( No.38 )
日時: 2010/10/11 18:16
名前: むーみん ◆LhGj6bqtQA (ID: 20F5x0q3)

翌朝。
天気は晴れ。朝の風が決して広くはない部屋に心地よく吹いている。
俺とレオは予定通り、朝食を食べてから出ることにしている。レオが、急に泊まっておいて長居するのは良くないだろうと判断したからだ。

出発予定は9時。
荷物を整理しながら時計を見ると、針は8時をまわっていた。

「ロカーっ! タイヤーっ! ご飯ー」

エルナの声だ。
レオは普通に「はいよー」とか言ってる。タイヤって……レオはどうやらもう気にしないことにらしい。
かわいそうに……。

「んじゃー、行くか」

「おう!」

きしむ階段を下り、若干迷いながらも一番初めに入った部屋へたどり着いた。
うぉぉおう…

「「うまそうーっ!」」

「でしょう? あたし、料理だけはうまいのよっ」

小さな食卓には、狭いくらいたくさんの料理が並んでいた。
卵やハムや野菜が彩りよく挟まれたサンドイッチに、スープも付いている。
やっべー、うまそう。

「これエルナ作ったの?」

「もちろん! カラさん朝は畑で野菜作ってるの。あ、これ自家製なのよ」

エルナがすっげぇ偉そうに言った。

「食っていい?」

「どうぞっ」

「いただきまーっす」
「いただきます」

うん、普通にうまい! カフェで出てくるような、いやもっとおいしいかもしれない。
とにかく、サンドイッチなんてだれか作っても同じように思っていたが、一番と言っていいくらいおいしかったのだ。

「で、話があるんだけど」

そう言ったのはエルナだ。
がっつくように食べていた俺らは、一緒にエルナの顔を見た。

「……ふぇい?」

「あたしも、連れてって」

「ふぁい?」

「だから、あたしも一緒に旅させて」

そしてその言葉に、俺らはサンドイッチを口にくわえたまま顔を見合わせた。

「記憶を……取り戻したくて。いろんなところに行ったら思い出すかなーとか思ったのよ」

「おう、いーよ」

急展開。
そう言ったのは、意外にもレオだった。