PR
コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Episode 04 これには俺らの生活がかかっているんだ! ( No.57 )
- 日時: 2010/08/30 14:01
- 名前: むーみん ◆LhGj6bqtQA (ID: 20F5x0q3)
地味だ。地味過ぎる。
人がテトリ○しているのを見るのって、こんなにもつまらないものなのか、と初めて思った。
簡素な部屋にどでかいテレビのようなものが置かれ、その前でエルナとサクと言うらしい少年が地味にコントローラーを叩いている。
二人とも無口で。
……正直怖いのだが。
しかし、その時。
なぜかピコピコというゲームの音しか聞こえなかったこの部屋に、エルナの声が響いた。
「なんでトしか来ないのよ! 何なのト!」
ト? 画面をよく見ると確かに。
『ト』の形をしたブロックしか落ちてこない。
「何なのよ、このゲーム! トしか落ちてこなくて逆につまらないわよ!」
「落ちてくるならいいじゃねぇか! 俺なんかちょっと前から一個も落ちてこないんですけどっ!」
そう言ったのは隣にいるサクだ。
確かに、彼の画面には一つもブロックがない。
「おかしいですね……」
「おかしすぎるだろ! 何なんだこのテトリ○!」
俺が耐えきれなくてツッコミを入れた直後、鈍い音が響いた。
「……!?」
音が聞こえたところを見ると、そこにはゲーム機を思い切り蹴るエルナの姿があった。
……なんか、ゲーム機からシューって音がするのだが、大丈夫だろうか。
「うおっ! 画面が大変なことにっっ!!」
誰かがそう言った。
画面をみると………
あり得ない速さでトが落ちてきている。
「うおぉお!?」
「おっしゃぁぁあ! 燃えるぞ、俺の本能がっ!」
異常なテンションになったのはサクのほうで、一方のエルナは「トはもういいでしょうがっ!」と言い放つとコントローラーを投げ捨てた。
サクという男は、見えない速さでボタンを叩いている。
すげぇ、超すげぇ!
というわけで、第一勝負、エルナ惨敗。
PR