コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Episode 04 これには俺らの生活がかかっているんだ! ( No.82 )
- 日時: 2010/09/11 15:04
- 名前: むーみん ◆LhGj6bqtQA (ID: 20F5x0q3)
「んじゃ、いっきまーす」
ナチが茶褐色の短い髪を揺らしながらそう言った。
背中に背負っていた剣を抜いて、俺のほうへ向かってきている。
……もちろん、子供のチャンバラなどではなく、ナチが手にしているのは本物の剣。まさしく真剣勝負だ。
俺まだ死にたくねぇよ……!
といっても、俺だって一応剣術はやってきた。
自信がないわけではない。
勝ってやろうじゃねーか。
俺も左腰にある愛剣を抜き、迎え打つ。
さっきまで騒がしかった部屋もいつの間にか静まり、剣の打ち合う金属音が響いた。
「すぐ負けないでね? つまんないから」
剣を交えて睨みあっている最中、ナチが笑ってそう言った。
「はぁ? 負けんのはそっちだろ?」
再び、剣を打ち合う鈍い音が部屋に広がった。
*
どのくらい経っただろう。
この部屋に漂う緊張感は、さっきまでの比ではない。
勝負は互角。
ナチが俺に向かい剣を振る。俺がそれを交わす。
それの繰り返しだった。
さすがに疲れてきた、もう決着をつけよう。
俺はナチの横腹を狙って剣を振った。殺す気などまったくないので、剣の背面で。
しかし、あっさり勝たせてくれるはずなどなく、俺の剣の軌道にナチの剣がぶつかった。
その刹那、ナチは剣を俺のほうに振る。
……頬にかすった。
「……あっぶねぇ!」
「あれ? はずしちゃった? もうちょっとで首だったのになー」
「……なんだとッ!?」
やばい、やっぱり怖ぇよこの子!
命の危険を感じた俺は、もう一度剣を振る。
例のごとく、金属音とともに剣で止められるのだが俺はその一瞬の隙を突く作戦に出た。
なにも、剣だけが勝負ではない。
そしてナチの腹部を思いっきり蹴った。
「……!?」
いきなりの出来事に、見ているもの皆が驚いているようだ。
ナチは床に腹を抱えながら倒れこんだ。
俺は首元に剣の先端を向ける。
「アメリアとカル、俺の勝ちでいいだろ?」
そしてそう言った。
「……はい、と申しております。」