コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 落ちこぼれ剣士ですが、何か? イメージソング決定っ ( No.95 )
- 日時: 2010/09/15 22:11
- 名前: むーみん ◆LhGj6bqtQA (ID: 20F5x0q3)
→Episode 05 なんか悪い予感がするのは俺だけか?
その後はというと、今回に限ってはまじめに仕事を終え、約束どおり報酬も貰った。アメリアの計らいで一晩泊めてもらったのち、俺らはエルベッセ財閥を後にした。
で、現在。
そもそも行き当たりばったりの旅をしている俺らは再び目的もなく道を歩いていた。
周りには次第に豪華な建物が見えなくなり、木々の中に小さな小屋がある、といったような光景が広がっている。どうやらキレッツァは抜けたようだ。人通りも少なくなってきた。
「次、どこ行くのよ?」
「知らん。どこ向かってるんだよロカ」
「俺に聞くなって! ここら辺の地形全然わかんねぇんだから!」
「じゃぁ、こうしましょ! ほら、この木の枝が倒れた方向に……」
「「却下」」
「とりあえず、どこかの街につくまでこの道行こうぜ」
このままアホらしい会話が続くのも嫌だったので、俺はあっさりと言い放つ。
さらに足を進めると、いままで一人の通行者もいなかった細い一本道に、向こう側かに人影が見えた。
今日は風もなく、日差しも強い。汗がじんわりと出るほど暑い日にもかかわらず、その男性は長袖のワンピースを身に纏っていた。
……怪しい。
他の二人もさすがに気づいたようで、3人でアイコンタクトをとった。
距離が次第に縮まっていく。
変な緊張感が漂った空気のなか、意外なことに言葉をかけてきたのは、向こうからだった。
「ジロジロ見ないでくれます? わたしゃ一人が好きなんですよ。でもどうしてもって言うなら話し掛けてもいいですよ」
……えーっと? なんだ、この人?
「暑くない?」
単刀直入に、エルナが言った。このKYが!
怖いよ、睨まれてない? 俺ら睨まれてない?
「別に、そんなことないですが。ところであなた方はどこへ?」
心配とは裏腹に、その男性は気さくにそう言った。
エルナが答える。
「行くあてないのよ」
「まぁ、わたしにゃ関係ないですがね」
「この先に街とかないの?」
一番聞きたかったことを、エルナがサクっと聞いてくれた。
話がうまくかみ合ってないきもするのだが、まぁ、いいだろう。
すると、ネロ、と名乗ったその男性は少し間をおいて答えた。
「ありますがね〜、今キアレッツァの中心貴族、クレメント家の跡取りが行方不明とかで、この先にあるアインシアの街もキアレッツァの街も結構な騒ぎになってますよ」
「え、ちょっと待て! なんでキアレッツァの貴族が行方不明なのにほかの街まで騒ぎになってんだ?」
そう言ったのはレオだ。
「キレッツァ周辺の街は全部捜索が入ってるとか、そうじゃないとか。貴族ってのも大変ですね〜」
そう言うと、ネロは「わたしも暇じゃないんで、行きますね」と言って見えなくなってしまった。