コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Episode 05 なんか悪い予感がするのは俺だけか? ( No.98 )
日時: 2010/09/17 23:06
名前: むーみん ◆LhGj6bqtQA (ID: 20F5x0q3)



ここ、ディルク王国は、キレッツァを王都に持つ、王政国家だ。
キレッツァにはたくさんの貴族や権力者が集まる。その中でも大きな力を持つのが、エルベッセ家・クレメント家の二つだ。ディルク王国では、この二つの家と、王が大きな政治的権力、経済力を握っている。

つまり、その3大権力者のうちの一つ。
クレメント家の跡取りがいなくなるというのは、それだけ重大な事件らしい。

……まぁ、俺らには関係ないが。



今はネロと別れ、相変わらず道をひたすら歩いている。
なぜか皆黙っている。
珍しく静かなその時。
静寂を破ったのは着実にこっちへ向かってきている無数の足音だった。
男の人の、低い声も聞こえる。

「そこの3人! 待ちなさいッ!」

——ん? 3人? 俺らの事?

振り返ると、想像より多い皆が黒い同じ服を身にまとった男の人がこっちへ向かって走っていた。
なんで、俺らは追われているんだ?

「ロカ! エルナ! 走れっ!」

レオはそう言うと、先陣をきって勢いよく走りだした。エルナも、理解できていない表情をしているが、レオが全速力で走っているのを見て、俺らも後を追いかけることにした。

「レオーッ! なんで俺ら逃げなきゃいけねぇんだよっ!」

「後で説明するから、今はとにかく逃げろっ」

「はぁ? ふざけんじゃないわよ! 何にもわるいことしてないのにっ!」

「後ろ見ろ、後ろ!」

そう言われ振り返ると、後ろには大勢の男の人が迫っている。
状況が理解できないが、ここまで来たら逃げるしかない。
がむしゃらに、走った。