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Enjoy Club 第5話『不確かなもの』(1) ( No.214 )
日時: 2010/09/16 16:26
名前: 友桃 ◆NsLg9LxcnY (ID: pQfTCYhF)

 それから、たった紅茶1杯であれよあれよと2時間が経ち、私達は会計を済ませて店を出ていた。正直言って店に入るよりもさらに暑く、空気がねっとりとしている。

「……出る時間間違えましたね」
「確かに。……このままどこか遊びに行くか」
「はいっ」



 彼の隣に立てることが嬉しい。

 こうして私を見てくれる瞳が、本当に愛しい。


 私はこの時傲慢にも、彼とこんなに仲良く話せるのは私だけだと、心の隅で思いこんでいた。
 だって彼は、恵玲たちに対してさえ、今見せてくれているような優しくて甘い微笑みを見せたことが無かったから。今みたいなあたたかい声を、発したことはなかったから。


 だから私だけだって、いつのまにかそう、当たり前のように思っていたんだ——






 ちなみにその日の夜、風也の携帯に何十件という嫌がらせに近い数のメールが届いたそうだ。

 もちろんそれらは全て、町田からのものである……。

 ——……ドンマイです、風也……