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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 地平線の彼方 ( No.3 )
- 日時: 2010/08/11 16:57
- 名前: 理桜 ◆umYqhWop0E (ID: 655/38A9)
- 参照: ときには諦めることも大切な勇気 byりお
(Episode 2)
そうだ、理科室に行こう。
勉強すると言って閉じこもった部屋の中、私は電気もつけずにベットに寝転がり、
そして泣いていた。
よく失恋でありそうなシュチュエーション。
そう思ったらますます涙線がとまらなくなる。
こんなこと前にあったな——と、ふいに薬品のにおいが鼻をかすめた。
+
花水木小につくと、意外にも門が開いていた。
出かける前に門のくぐり抜けかたを思い起こし(よく友達と脱走して怒られた)、
涙のあとがついていないか鏡で何度も確認して。—なんだか拍子抜けした気分。
外にどういう建築ミスなのか、理科室へ直通する階段がある。
しかも目立たないところにあったから、これはしめたぞとよく小学校のときは利用したものだった。
ドアを開けると懐かしさで胸がいっぱいになった。
やさしい先生に怒られたときも、仲良しだった友達にいじめられたときも、いつもここに来ると落ち着いて。
棚からビーカーをとりだす。たしかここの欠けた部分は、授業中にふざけてたのが原因だったはず・・・ ・・・
不意に、音がした。
それはガッチャ、とドアの開く音に他ならなかった。
人が来たのだとわかった瞬間、パニックに陥った私の指からビーカーが吹っ飛んでいった。
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