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白神の剣 2 ( No.1 )
日時: 2010/08/20 14:20
名前: 皐月凪 (ID: VozPDcE.)

俺は一人で猛烈に走っている。
まわりでちんたら歩いているやつらなど目にも止めずに
「ゼェ...ハァ」
どうやら余裕で間に合ったようだ。
俺は理事長室へ向かう......
「コン、コン」
「は〜い、お入りくださ〜い」
理事長室からは、どこか抜けた声が聞こえた。
俺は、理事長室の木製扉に手をかける。
「失礼します」
扉を開けると、水色の髪を腰の位置まで下ろした。長身の女性が、さぞかし高級であろう椅子に腰掛けていた。
「あなたが、転校生の神崎天君?」
手元にある紙を見ながら言う理事長にたいして俺は答えた
「はい、今日からこちらの学園でお世話になります神崎天です。」

「私は、この学園の理事長をしております...水月と申します。」
理事長は椅子か立ち上がり、こちらに向かって一礼した。
「天君のクラスは、2年A組ね、担任の先生が面会室でお待ちよ」

「面会室ですか...」
俺は、学園にきたばかりで教室の配置なんぞはしらない
「面会室は理事長室から、右に25歩、左に12歩、右に2歩ほど行ったところにあります。」
理事長は笑顔で言った。
変わった人だとつくずく思う...
「え、...あ、はぁ」
とりあえず適当に返事をしておく
「すつれいしました」
あ、理事長の変人ぶりを見て動揺して、おもわずかんでしまったでわないかぁ〜
とりあえず俺は、その面会室とやらに行ってみることにした。
変人理事長の言った通りに進むと、面会室に着いた。
もしかして、理事長って暇人...?
そんなことを考えながら、俺は面会室の扉をノックしようとしたとき、いきなり面会室の扉が開いた。
「おい、転校生!!あたいを待たせるとはいい度胸してんな」
いきなり怒鳴ってきた女性は、ショートカットの赤髪をしていて実験用の白衣を着ていた。
予想するに、担当は理科だろう...
「なに黙ってる」

「え、いやいきなりだったので驚いてしまって...」
赤髪の女は笑顔で近づいてきた。
「驚かせてわるいね...あたいが2年A組担任の赤凪祥子だ...早速でわるいが、今日は月曜日...朝礼があるんだ...その場を借りて全校の前で軽く自己紹介してもらう」
腕を組み、笑顔で言う担任に向かって俺は言う
「げ、マジですか...」
「ん?マジマジ」
笑顔で言う担任に無理矢理連れられ、俺は体育館に来た。周りの生徒の目が気になる。
俺は、ステージの側の職員が座る椅子に座った。
「みなさんおはよう」
校長の話が始まった。10分ほどで終わり、いよいよ転校生紹介コーナーが始まるみたいだ。
...ってその転校生が俺だった。
「えー、でわ転校生の神崎天君ステージに」
司会をしていた、生徒会の役員らしき人に言われ、渋々ステージにあがった。
「えっと、神崎天です...小さな田舎町から引っ越してきました。よろしくお願いします。」
頭をさげ、ステージを降りようとした時、一人の生徒がこちらに向かって、走ってきた。
顔立ちは整っていて、一般のひとが言う美少年というやつだ。
そんなことより、その美少年は、木刀を持っていた。

「神崎って言ったな...その腕試させてもらうぜ」
全校女子の半数が、目の色を変えて「遠野く〜ん」と黄色い声援を送っている。
俺の目の前にいる美少年のことだろう
「おい、落ち着けって」
とりあえず、目の前にいる美少年をなだめてみる
.............ムダだった。
「うおぉぉぉぉぉ」
美少年が木刀を振り下ろしてくる
俺の体は無意識に反応し、木刀を難なくかわし、即座に相手の懐に潜り込み、軽く木刀を持っている方の関節を曲げ、落ちた木刀を広いあげ、瞬時に美少年の首筋に突きつけた。
「う、まいった...降参する」
遠野はその場に崩れ落ちた。
俺は遠野に手を差し出す。
「なんのまねだかしらないけど、いきなりなんだよ」
遠野は俺の手を借りて立ち上がった。
「すまない、神崎という名を聞いて、剣道部主将としては、腕だめしがしたかったんだ」
神崎という名字は、一般人が聞いても何とも思わないが、剣に通ずる人間にとっては有名な名だ。
「なるほど、そういうことだったか...そんなんならあとでいくらでもつき合ってやったのに」

「そ、そうか...」
まわりをみると、生徒の大半が口をあんぐり開けて、開いた口がふさがらない状態で、俺たちを見ていた。
職員はと言うと、期待どうりといった顔で、こちらに笑顔で拍手していた。
......なんなんだ、この学園は...