コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- 白神の剣 11 ( No.11 )
- 日時: 2010/09/06 17:15
- 名前: 皐月凪 (ID: VozPDcE.)
「俺は、みんなから、大切なものを貰った気がする...ありがとう...」
それから体の力が抜け落ち、楽になった...
みんなの悲鳴がかすかに聞こえる..
それから記憶がない...
俺が目を覚ましたのは、山城祭から65日、二ヶ月と三日が過ぎた頃だった...
そう病室にいた看護士さんが教えてくれた。
吐血による大量出血と異常な肉体疲労で生死をさまよっていたらしい。
一週間の検査入院を経て退院ということだったが、俺の回復速度が通常の人の10倍みたいで、2日で退院することができた。
そして俺は、自分の部屋にいる...
「俺、なにやってんだろ..」
布団に潜り込み色々考えてみることにした..
どれほど考えたのだろう...時計は午後10時を指していた...
そして、答えはでた......
「一人暮らしをしよう」
とりあえず、気持ちを新しくしたかった。
両親にもそう伝え、承諾を得た。
...だだし条件付きで..
その条件は霧島神社に住むこと...
「って、親父、それじゃ一人暮らしになんねぇじゃねえかよ!!」
「言っておくが、一人暮らしするってことは、自分のことは自分でするってことだ。 つまり親離れってことだ。」
「んなこた分かってる」
「分かってないじゃない、お金はどうすんのよ」
そういえば、金のことは考えてなかた
「適当に近くでバイトする」
「だから、バイトが見つかって安定するまで、霧島神社でお世話になりなさい」
「けど、なんで神社なんだ? 別に家でもいいだろ」
「普段めったに頼み事なんてしないあなたが、一人暮らししたいなんて言うんだもの、少しでも親元離れたほうがいいと思って...」
「ありがと、母さん...でも神社でなくても」
「ここら辺で、家賃ただで飯も食わせてくれて、風呂にも入れて、おまけに修行までできるって言ったら、神社しかねぇーだろ、そんで近くの神社っていったら、霧島神社しかないみたいだから、そこで世話になれ。」
その神社ってもしかして、あの巫女少女の神社か...
「わ、分かったよ...でも追い返されたら、おとなしく家に戻ってくるからな」
「とかなんとか言って、本当は寂しんだろ」
「んなわけねえだろ!!」
「はいはい、二人ともご飯にしますよ」
この日の夕食はいつもよりおいしかった.....
二ヶ月前のあの事件以来、おまえを山城学園を救った翌朝、今日は日曜日、学校は休みだ...
昨日のうちに荷物はまとめていた。
俺は、両親が寝ているうちに家を出た...
早速、地図を元に霧島神社を探した...
山の方に歩いて行くと、神社があった。
神社の周りは水田しかなく、町から少し離れた田舎みたいな雰囲気の場所にあった。
俺は、神社に続く軽く100段わあろうかという階段を一段一段登った。
やっぱ、前来た神社だ・・この階段の先には、巫女少女がいるはず...
いた!!相変わらず、赤い袴に身を包み境内を掃除している。
「おはよ」
「な、なんで神崎が...」
まるで死んでいるものを見るかのように、ぽかんと口を開けている..
「俺、昨日退院したんだ」
「あの状態でよく退院したな..正直驚いた」
「うん、医者は奇跡だって言ってた」
「それより、学校には顔出したのか?」
「まだだ、今日は休みだしな...」
「学校じゃ、イケメン転校生として崇められているぞ...密かにファンクラブまでできている...」
「そうなのか...学校、行きずらいな...」
「大丈夫だ、あたしがついてる」
「頼りねぇ〜」
「な、なに〜、あのとき刀渡してなかったら間違いなくやられていただろうが!!...折られたけど」
「あれは本当に感謝している...でもなんで刀渡してくれたんだ?...」
「そ、それはだなぁ、神崎がす、す......なんでもない!!....それより何しにきたんだ?」
「お願いしにきた...」
「なにをだ?」
「ここに住まわせてください!!」
「は、はぁ〜!!!!!!」
........というわけなんだ。
「つまり、バイトが見つかって、安定するまでここで暮らしたいと..」
「やっぱ、無理だよないきなりは...」
「あ、あたし的には全然OKだけど、父さんに聞いてみないとね...」
「会わせてくれないか...その前に巫女さんの名前聞いてなかったな」
「まったく、失礼もほどほどにしなさいよね、私は霧島雫...こっちよ」
「じゃあこれからは、雫って呼ぶね、俺も天でいいよ」
「な、うっさいわね」
顔を赤くする雫のあとをつけて、屋敷の奥の部屋の前にきた。
「父さんチョー厳しいから、気をつけてね」
「あ、ああ」
雫は戸をノックする...
「父さん、いい?」
「雫か、入れ」
雫が戸を開ける
「誰だ、おまえは!!」
「父さん!!わ、私の友達で、天って言うの」
見ると筋肉ムキムキでいかにも頑固そうな男が、座っていた。
「はじめまして、神崎天といいます。 突然すみません、今日はお願いがあって来ました。」
「神崎だと...お主、神崎流が使えるのか?」
「はい、一応、神崎流伝承者です。」
「な、なんと..ならばこのわしを倒したら、なんでも願いを叶えてやる」
「天、やめたほうがいい...父さんは、私なんかと比べものにならないくらい強い...ましてや、天、あんた病み上がりでしょ...」
「雫、もう、一戦交わしたのか?...」
「はい、天は、神崎流を巧みなまでに使いこなして、それはもう華麗な技を披露してくれました...正直あれほどの技をみたのは初めてです。」
「うむ、天、貴様と一戦交わしてやろう!」
「望むところです。」
「ちょっと父さん!!天は病み上がりなのよ!!」
「貴様、病気でもしたのか? ふん、自業自得だな」
「違うわよ!天は、人助けをしたのよ...その時に『瞬身』を限度以上に使って意識不明で二ヶ月も入院して、やっと目を覚ましたのよ...私、天がいなくて寂しかったんだから...」
雫は泣いてしまった...
「貴様、雫とそこまで関係を深めていたとは、許せん!!!!! 貴様の太刀を持っておもてへ出ろ!!」
俺は、愛刀『月凛』を持って雫に立ち寄る...
「寂しい想いさせてゴメン...」
「なに言ってんの、嘘に決まってるじゃない」
まったくどこまでツンデレなんだこいつは...
「雫に近寄るなぁー!!表へ出ろと言ったはずだぞ!!」
「はい!今行きます」