コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- 白神の剣 12 ( No.12 )
- 日時: 2010/09/06 17:16
- 名前: 皐月凪 (ID: VozPDcE.)
「勝負は一瞬、雫が投げた鈴が地面についたら開始だ、いいな」
「はい」
「でわ、雫、頼む」
「いきます」
雫が、鈴を投げる...
俺は目を閉じて集中した..
鈴が落ちた。
鈴が落ちたと判断するまで、0.2秒。
行動に移すまで0.2秒。
人間である以上最低0.4秒は必要。
しかし、俺らは『瞬身』が使える。
「か、体が軽い!!」
俺は瞬身を使ったはずなのだが、瞬身を越える早さだ..まさかあの伝説の『飛来』!!
俺には、スローモーションでおっさんが刀を引き抜くのが見えた...遅い、遅すぎる!!
俺は、おっさんの背後に回り込み後ろからおっさんの首筋に刀身をつきつけた。
「な、なんと...貴様、それは『瞬身』ではないな..」
「『瞬身』の使いすぎで、『飛来』が使えるようになったみたいです」
『飛来』とは、『瞬身』のうえをいく技で、『瞬身』の場合、体のリミッターを外さなければ発動できないが、『飛来』は、空間と時間をゆがめて発動する。
『瞬身』は、あとで疲れがくるが、『飛来』は、寿命を縮める..要するに、『飛来』を発動している間は、未来にいることになり、その分寿命が縮むと言うことだ。
「鈴が落ちた瞬間、わしは、『瞬身』を使った..だがおまえの姿は無かった..そして気づいたときに、おまえは、わしの背後にいおった...まさかお前が選ばれしものだったとは...さすがは、雫が見込んだ男だけのことはあるな」
「ちょっと、父さんったら〜」
「なに、あの男なら、結婚を認めてやってもいいぞ」
「結婚だなんて、そんなぁ〜」
「あの〜、お願い聞いて貰ってもいいですか?..」
「結婚のお願いだろう、お前は、わしが認めた唯一の男じゃ、認めん訳がない! むしろ雫を頼んだぞ!!」
「わ、私その辺走ってくるわ!!」
顔を真っ赤にした雫は、走って行った...
「まったく、照れおって〜」
「あの、お願いなんですけど、バイトが決まって安定するまでの間、ここに泊めてください!! なんでもしますから!!」
俺は訳をすべて話し、土下座した...
「顔をあげなされ、こちらからもお願いします...この屋敷に泊まってください」
土下座で返された...
「そんな、滅相もない..顔をあげてください」
「うむ、泊まるのはかまわんが、朝は早いぞ」
「今日ぐらいの時間でよければ、毎日起きて修行している時間ですので、問題ないです」
「そうか、ならば大丈夫だな...わしはこれから山に出かけるのでな、夕方まで帰ってこれん..雫を頼んだぞ」
「朝食は?」
「わしは、山に行くときはいつもサバイバルなんでな」
グットサインしているおっさん...この人ただもんじゃねぇ