コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- 白神の剣 13 ( No.13 )
- 日時: 2010/09/07 15:47
- 名前: 皐月凪 (ID: VozPDcE.)
俺は、雫を探しに霧島神社の周りをうろうろしている...
「お〜い、雫〜」
声をあげて探してみるが、応答がない...
「まったく、雫のやつどこ行ったんだ?」
その時うえの方から声が聞こえた。
「うっさいわね、ここにいるわよ」
上をみると、木の上に雫がいた...
「雫、袴着てどうやって登ったんだ?」
「簡単よ、木登り得意だから」
「早く降りてこいよ」
「手伝って!!」
「は?...まさかお前、降りれないのか?...」
「そ、そうよ..悪い?」
「降りれないなら、登るなよ...ほれ」
俺は両手を広げ雫を受け止める体勢になった。
「ちゃんと受け止めなきゃ、殺すからね!!!」
そう脅しをかけて、飛び降りてきた...
「うっ!!!」
雫はずっとしがみついたままだ。
「おい、大丈夫か?」
「あ、ありがと...」
そしてこの光景を出かける準備万端の雫父に見られてしまう。
「相変わらず仲良くやってるね〜、子供は沢山頼むぞ!!...では山に行って来るから、後のことは、雫、まかせた」
「行ってらっしゃい!!」
「ほら、天、朝食作るから、屋敷入ってよ」
「雫、作れんのか?」
「もう、作ってあげないよ!!」
「ご、ゴメンゴメン...俺腹減ってるから何でも食う自信あるよ」
その直後、雫の逆鱗に触れてしまったことは、言うまでもない///
俺は、土下座して謝罪し、やっとのことで飯にありつけた。
今日の朝食は、玄米とみそ汁、焼き魚と卵焼きというメニューだった。
「いただきまーす」
「ん、この卵焼きすっげーうまい!!!!」
「もう、お世辞はいいよ..」
「いや、マジでうまい...雫って料理超うまいんだな、見直したよ!!」
雫の卵焼きは、冗談抜きで、本当においしかった。
「見直したって、私のことその程度にしか思ってなかったの?」
「うん、雫なんかに興味すら無かったよ」
「ふん、でも私の卵焼き食べて、私に興味持ってくれたんでしょ...なら許す!」
「ま、卵焼き以外は、普通だけどな」
「ちょっと〜」
「うそうそ、うまいって」
普通だったがうまいことにしておく...
「ごちそうさまでした!!」
「雫はこのあとどうするんだ?」
「私は、掃除、洗濯、その他家事全般終わらせて、そのあと修行でもするわ」
「雫、毎日こんなんなのか?」
「ええ、うち、母さん三年前に死んだの...だから家のことは、私がやらなきゃ!!」
「嫌なこと聞いてごめん...雫、おまえ...」
「別に大丈夫だから、変な気とかつかわなくていいから..」
「うん分かってる...でも一人で抱え込むことないんだぞ..」
「天、優しんだね...でもいいから..」
「あっそ、せっかく心配してやってんのに〜」
「ふん〜だ」
「俺は、バイト探しにでも行ってくるよ」
「ちょっと待って、その前に天の部屋、案内するわ..荷物その辺に置かれても邪魔だから」
「はいはい、んじゃ、お願いしま〜す」
案内されたのは、広い屋敷の一角にある和室だった...ってか和室しかねぇーか...
「はい、ここが天の部屋...私の部屋、隣だからなんかあったら、呼んでよね」
「おう、サンキュな」
「じゃ、俺行くから」
「昼はどうすんの?」
「まぁ食わなくても、死にゃしねーよ」
「心配した私がバカだったわ..早く行きなさいよ!!」
「そう、あせらんでも今行きますよ!」
俺は、愛刀の『月凛』を腰に差して霧島神社をあとにした...