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神の剣 5 ( No.5 )
日時: 2010/08/24 15:41
名前: 皐月凪 (ID: VozPDcE.)

俺は、星野さんを追いかけた......が見失ってしまった。
とれあえず、近くを歩いている女子に聞いてみよう。
「あの、すみません」
「ひ、ひゃい」
どうやらひどく驚かせてしまったみたいだ...
「あ、驚かせてしまってすみません」
「い、いえ.....なにか」
「え、と..人を探してるんです」
「どなたを...?」
「星野さんという方です」
「ああ、星野さんなら屋上にいると思うわ」
「ありがとうございます、では...」
俺は、音楽室の横にあるという屋上へと続く階段を目指した。
屋上の鉄製扉を開くと、そこには、一人の美少女が、段差に腰掛け泣いていた。
俺は、なにも言わずにTERUの刺繍が入った、ハンカチを差し出した。
「えっ...そのハンカチ」
「ああ、これか、これは、さっき星野さんに似てるって言った白波芽衣ってやつに貰ったんだ。...ほら、泣くなよ」

「天、そ、それあげたの私だよ...」
その瞬間、目の前にいるのは、間違いなく白波芽衣であると確信した。
「あはは...やっぱり芽衣だったんじゃないかよ...星野だなんて嘘ついてもバレバレだぞ」
なんだか、場の雰囲気が重かったので軽く笑ってやった。
「...星野はほんと、...3年前に父さん死んで、星野になったの...」
「えっ..剛おじちゃんが...死んだ...」
剛おじちゃんは白波流の達人で、よく剣術を教えてもらっていた。
「でも何で、星野なんだ...?再婚したのか..?」
すると、彼女は重い口を開いた。
「...じつは、私の父さんと母さんは、駆け落ちしたの..母さんの本名は、鳳凰院小夜子 あの鳳凰院財閥のお嬢様だったの...母さんには、もうちゃんとした婚約者がいたらしいわ、星野財閥次期後継者、星野光秀...でも母さんは、白波剛..お父さんと駆け落ちした...でも父さんが死んだ....星野はそれを見越したかのように、母さんに近づいてきたわ...そして母さんは、私を育てるために星野と再婚したの.......」

「そう、だったのか...でも芽衣は芽衣だ名字が星野になろうが、俺のなかにいる芽衣は変わってない..」

「て、天...」
ちょうどその時昼休み終了の鐘が鳴った。
「さ、午後の授業が始まるぞ...じゃ俺行くな」
鉄製の扉に手をかけようとしたとき、後ろから声がかかった。
「天、ありがとね...帰り校門で待ってるから」
俺は、振り向かずに左手を挙げグッドサインをしてその場を去った。