コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

白神の剣 38話 ( No.50 )
日時: 2010/10/22 11:32
名前: 皐月凪 (ID: VozPDcE.)

...俺と雫は、霧島神社に到着した。
赤い鳥居をくぐり、屋敷のなかに入る。
...雫のおじさんがいた。

「おお、天〜!! 久々だなぁ〜」

「はい...少々、御園家の方でバイトをしておりましたので...」

「そうかそうか、大変だったろ〜、まぁ、風呂にでも入ってこい...雫、背中流してやりなさい」
...ええっ、このおっさん正気ですか...?

「いやいや、いいですよそんな」

「わ、私はいいんだけど...//」
...し、雫?

「お風呂は、こっちよ...」
...雫が案内する。
....連れてこられたのは、神社の裏にある大きな池?だった。

「おい、雫...この池に入るのか?」

「池ってなによ〜、失礼ね!!、ちゃんとした温泉よ!!」
...水面をさわってみる...暖かい...温泉だ!!

「本当に温泉なんだな!!」

「なに驚いてんのよ...さっ、入るわよ」

「は、入るっておまえなぁ〜」

「大丈夫よ、あんたがなにもしないかぎり大丈夫だから...幼児体型には、興味なかったんじゃないの〜?」

「あ、ああ...興味ねぇ」
...渋々、雫と混浴することにした。

「どう?気持ちいいでしょ、家の温泉」
...隣で浴槽に浸かっている雫が言う。

「ってか、温泉があるなんて知らなかったぞ!!」

「私が、生まれるずっとずっと前から、この温泉があったみたいよ...」

「...なぁ、雫...俺とお前が出会ったのは、俺が転校してきた次の日だったよな...お前、俺見ていきなり斬りかかってきたっけ...プッ」
...思い出すと笑えてくる。

「だ、だってあんな朝早い時間に、袴着て走ってるやつなんて不審者としか思えないわよ!!...フッフフ」

『フフ...アハハハハ』
...俺たちは二人で笑った。

「...俺は、お前が好きだ!!」

「...そ、そんなの知ってるわよ!!」

「雫...俺たち、高校卒業したら、結婚しよう!!」

「.......バカ...」
...雫は、うつむいたまま、泣いている。

「...だめか...」

「...そんなわけないじゃない!!!、私だって、天とずっと一緒にいられたらどんなに幸せか...私も天が大好き!!!....ずっと...ずっと一緒にいてくれますか...?」
...俺は、なにも言わずに雫を抱きしめた。
雫の巻いていたタオルが、ずれ落ちる。

「...雫、俺はお前に出会えてよかった。」
...俺の脳裏に雫との思い出がフラッシュバックする。

「私も...」

「はいはい、お二人さん♪...わしもまぜてくれ〜」
...そこに登場したのは、雫父

「お、親父さん!!」
「と、父さん!!」

「話は全部きいてたぞ......よかったな、雫」

「お、お父さん...俺に、俺に雫をください!!」
...俺は、浴槽からあがり、土下座した。

「嫌だって言ったらどうする?」

「雫を連れて、逃げます!!」

「...アハッ、アハハハハ!!そうか、天ならそう言うと思ってたよ....雫を頼んだぞ、天!!!」

「はい!!!!」
...その後おれは、雫父の背中を流してやった。
...そして俺の背中を雫が流している。


...俺は、実家に雫を連れて戻り、結婚のことを話した。
父さんと母さんは、まさか神社の娘と結婚とは...と驚いていたけど、承諾してくれた。
相変わらず、父さんは号泣してたけど..

学校のみんなにもこのことを話した。
一部納得いかない者もいたみたいだが、大半は賛成してくれた。

....天宮さんが、山城学園を卒業し、早一年...ついに俺たちの卒業式が行われた。
....と同時に結婚式も...

...俺と雫は、全校生徒の前で祝福され、幸せでいっぱいだった。

卒業後、
親友の相沢は、研究員になり、新薬の研究に明け暮れている。

学園一のイケメン遠野は、医者になる夢を実現させ今は、外科の医師をしている。

鮫ちゃんは、体育の先生

司は、電気工事士

御園家のお嬢様、梓は、経理を勉強して、いまでは御園財閥を取り仕切るまでになっているみたいだ。

芽衣と唯は、そろって幼稚園の先生に...どこまで一緒なんだこいつらは...
噂によれば、遠野と芽衣が近々結婚するとのこと...

我らが生徒会長、天宮さんは、美人OLに

凛は、水族館で、イルカたちと戯れているそうだ。

そして、琴美は実家の農業を継いでいる。


.....俺たちはというと..
二人揃って、温泉宿を経営している。
...霧島神社の裏にあった温泉に目をつけて、近くも掘ってみれば温泉が出るのではないかと、試しに掘ってみたところ、見事的中!!!
...霧島神社の本殿だけ残して、あとはすべて温泉宿を建設した。
...金は?と言うと、俺が梓の専属執事をしていた時の一週間の給料と、結婚祝いの御園家からの資金で建てた。
...どんだけ、給料いいんだ...
俺たちの温泉宿は、『霧島温泉』と名を付けた。

温泉は、予約待ち3ヶ月という人気ぶりで、全国各地からお客様が訪れる。
...あまりの人気で、人手が足りず、料理人から、従業員まで、100人ほど人を増やし、宿も増設した。

...いまでは、あのチビ雫も立派な女将だ。

「天〜、なんか言った〜?」
...地獄耳...

「いや、何でもねぇ〜よ...雫、相変わらず綺麗だなって」

「褒めてもなにもでませんよ〜///...天、奈留は?」
...俺と雫の間に子供が生まれた。
名前は、神崎 奈留(カンザキ ナル)
男の子だ。
俺と雫が、19才の時に生まれた。
そして今は、小学校一年生!!6才だ。

「奈留のやつさっきまで、フロントにいただろ...」

「ええ〜、ちょっとフロント係に聞いてみてくれる?...奈留、学校の宿題まだのよ〜」
...まったく、困った息子だ。

「分かった、フロント行ってくる」
...俺は、今いる12階から、高速エレベーターでフロントへ向かう。

...霧島温泉フロントに到着。
「しゃ、社長!!、どうなされました?」
...俺が、自らフロントへ行くことは、まずない。
俺は、いつも霧島温泉最上階の社長室にいる。

「息子を探しててな...いなかったか?」

「奈留様なら、先ほど、社長のところへ行くと行って社長室に向かわれましたが...」

「そうか、ありがとう」
...俺は、社長室へ向かう。


...社長室のドアを開ける。
そこには、雫と、我が息子、奈留の姿。

......俺は、俺の一生をこの二人に捧げる。



_________『白神の剣』 完

......そして、我が息子の物語がはじまる_____



ご愛読ありがとうございました。
次作もお楽しみに♪