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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ゆめをみる。 ( No.23 )
- 日時: 2010/08/29 10:39
- 名前: 椎香 ◆M4/Y.eOuE6 (ID: oYpakyoC)
07
「——意味分かんないよ」
なんでかしらない。涙が出る。私は左手で目を伏せた。
「だって夏目、さとが教室から出て行った後、追いかけたいって顔してたもの」
「後!夏目より、断然ひなたのがよかったよ。とっても切ない恋だけどね」
ひなたの事を話す湊は、切なかったけど、なんだか凄く可愛かった。
「じゃあ、湊は切なくってもひなたの事を好きでいる?」
「まあね!一生片想いでもいい」
湊がそう思うのなら、私は応援する。願って願って…何度も何度も願うよ。
教室へ戻ると、ひなたと結花が楽しそうに話している。湊は少し切なげな顔をしたが、笑って席に着いた。
「——お前何やってたの?!」
慌てて聞く夏目を見、私の顔は真っ赤になった。本当に好きではないだろう。ほら、夏目はこうゆう性格じゃないの。
湊はにこっと笑い"ほらね?"と顔をした。私は湊の耳に向かって"友達として!"と小さく呟いた。
———
あれから何があったのか?
いや、なにもない。何もない。私達は何も変わってはいない。
——季節はもう、秋なのに。
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