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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: しろべに。 ◆キャラ募集中◆ ( No.10 )
- 日時: 2010/10/18 21:03
- 名前: 卵白 (ID: lTlVXzN9)
◆第四話
「雪那ちゃん!撮影いいですか?」
「うーん」
にたにたと笑顔の男子たちが、
一斉に雪那に向けてシャッターを切る。
「美紅ちゃん、今日帰りヒマ?」
「う、うん…撮影はいいの?しゃべりながらで」
「うん!…ね!」
こくこくと操り人形のように頷く男子たち。
彼らが、白井雪那ファンクラブの面々だ。
みな恐ろしいほど幸せそうだ。
「…ちょっとあたし忘れもの取りに行って来る!」
「うーん」
あたしは日の当たる廊下を曲がって、走り出した。
…
しんと静まり返った教室がずらりと並ぶ様子は、結構怖いものだ。
うう、何か出そう。
廊下の電気も消えて、いるのはあたしだけ。
だと思ったけど、一番奥の教室、電気がついてる。
誰だろう。
そっと覗きこむと、そこにはメガネの真面目そうな女の子が、静かに座っていた。すこし頬を赤く染めている。
あの子は…灰田さん?
しばらく見ていると、急に立ち上がって、忙しそうにカバンに荷物を入れ始めた。
あたしは気付かれないよう、自分の教室に入った。
夕日はもう沈み終わって、うっすらと辺りが紫色がかってきた。
早く行かなくちゃ、雪那が待ってる。
あたしは本を手にとって、走り出した。
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