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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: しろべに。 ( No.2 )
- 日時: 2010/08/30 17:10
- 名前: 卵白 (ID: xlzTc90W)
◆第一話
あたしは、いつもの待ち合わせ場所に着いて、一息付いていた。
「おはよー!!」
広い歩道の向こう側から、黒髪のショートカットの女の子が走ってくる。雪那だ。
「おはよ」
「遅れちゃってごめんね!
ねー美紅ちゃん美紅ちゃん、昨日聞いた話なんだけどね」
「うん?」
あたしは森野美紅。
中学2年生。
そして今走ってきたのが白井雪那。
彼女とは幼馴染で、同い年だ。
「なんか、隣の4組でいじめがあるらしいんだよね」
「いじめ?誰がいじめられてるの?」
「…そこまでは聞いてない…。でも女子だって。
女子が女子をいじめてるみたいなの」
「ふーん…誰に聞いたの?」
「ふぁんの人ー。良く分かんないけどおびえてたの」
4組と言うと…眠目か。
「眠目に聞いたの?」
「あぁそうそう!その人その人!!…だった気がする」
「覚えてないのかよ!!」
「うん!分かんない!」
「…。」
雪那には、立派な2年生限定のファンクラブがある。
彼女は日々ファンたちから敬われ、萌えられているのだ。
そして今出てきた眠目。
彼はそのファンクラブの2年4組代表で、
7組まである組代表全員ひっくるめて7人の小人などと呼ばれている。
そして、雪那にとってはそんなことはどうでもいいことなのだ。
あたしは短いぼさぼさの頭をかきながら、
今日はどうなる事だかね、と思った。
「美紅ちゃん?何考えてんの?」
雪那が不思議そうに問う。
「…何でも無い」
「そっかー」
雪那の無邪気な笑顔を見て、やっぱり今日もいい日だろうな、とあたしは思い直した。
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