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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: しろべに。 ◆キャラ募集中◆ ( No.21 )
- 日時: 2010/10/27 20:14
- 名前: 卵白 ◆7qRx8xrwgo (ID: lTlVXzN9)
◆第十話
笑い声や話し声がぼわぼわと響いて、ずっとずっと遠くから聞こえてくるような感じがする。
…暖かい。
突然のチャイムの音に、私は跳ね起きた。
「あ、灰田さん…大丈夫?」
「え?…私、えっ?」
そこには保健室の主、蔓草さんがちょこんと座っていた。
なんやらかんやらの持病があるらしく、ほぼ毎日保健室登校なので、
同じ学年でも見た事のある人は少ない。
「蔓草さん…?」
「灰田さん廊下で倒れてたんだって?大丈夫なの?」
「え、そうなんですか?」
「そうなんですか、って…。灰田さん面白いわね」
「始めて言われました…」
「そう?…ふぁあ……うぅ」
そう言ったきり、蔓草さんはこてんとベッドに横になり、眠り始めてしまった。
手には何か鋭くとがったものを握っている。
よく見るとそれは首の細かい鎖に繋がっていて、ネックレスになっていた。
あれはいったい何なんだろう。
ところでここは保健室だ。
今週で二回目の保健室だ。
そろそろ危ないかもしれない。
ご家庭にご連絡されてしまうかもしれない。
そんなことされたら、家にとらわれてしまう。
お母さんたちはここぞとばかりに家を空けるだろう。
たくさんの用事を言いつけて、楽しそうに遊びに行くのだ。
…そんなのは、嫌!
私は蔓草さんの眠る横のベッドで突っ伏して、泣きそうになった。
「ううぅ……」
蔓草さんがうめいた。そう言えば聞いたことがある。
彼女の寝言は、よく当たる予言だと。
「困った時は……カメラに頼れ…うぅ」
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