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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: しろべに。 ◆キャラ募集中◆ ( No.25 )
- 日時: 2010/10/29 21:00
- 名前: 卵白 ◆7qRx8xrwgo (ID: lTlVXzN9)
◆第十二話
「うわああ!?…優星先輩かぁ、なんだ」
「なんだとはなんだ!僕は桃君よりも偉いんだぞ!先輩だぞ!敬えー!敬えー!」
「はいはい黙れ黙れ…まあこの人がいるからそういう情報が手に入ったのさ。諜報部員だな!」
「そうです!そうでした!」
「で、先輩転校生の話ですけど」
「ん?お守りすればいいんでしょ?」
「そうですそうです」
「ほいほい、それじゃ明日。優星帰るよ!」
「ああ!悠月待ってー!」
先輩たちの行ってしまった後、黙々と林檎を食べている雪那を尻目にあたしは灰田さんの事を考えていた。
灰田さんの教室と、あたしたちの教室はちょうど端と端にある。
そして灰田さんは、あたしたちの教室の前まで来る必要などなかったのだ。
なんであんなところに倒れていたのか、灰田さんは。
誰かに会いたかったのかな?
あたしは何か胸騒ぎを感じた。
ぞわぞわする。
風が、低く唸りながら耳元を通り抜けて行った。
———灰田さんと、話さなきゃ。
急にそう思った。
昔からあたしの勘はよく当たると雪那は言う。
なんとなくだけど、勘を信じてみよう。
そこで、林檎を食べ終わった雪那が顔を上げていった。
「美紅ちゃん?明日作戦成功したら、ケーキ屋さん行こう」
「雪那って食べるの好きだね」
「美紅ちゃんは違うの?」
「いや…好き」
「じゃあ決まりね!」
雪那が幸せそうに、にこにこと笑うのが、薄暗い月明かりの中でもよく見えた。
白いリボンのカチューシャが、雪那が嬉しそうに楽しそうに弾むように歩くたび、ぽんぽんと揺れた。
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